★就活で学歴フィルターを提供する下劣な就活ナビサイトと利用する企業の愚かさ★

就活学歴フィルター

 

就職活動が3月1日に解禁された.日本の就活は文科省や経団連がスケジュールにまで指示を出すという社会主義のようなシステムに(しかもそれが非効率であり,学生を筆頭としてステークホルダー全員に,非合理的な負担を強いるというひどい仕様),ほとんどの企業がそのルールを破るというダブルスタンダードで進められている就活.日本の腐った部分が赤裸々に露呈されつつも,一向に改善されないという不思議なイベントであるが,本年も開始早々に「就活における学歴」というみんなが大好きな学歴の話題と,絶対にやってはならないエントリー段階での「男性女性区別」という香ばしいネタが話題になっているので考察することとしたい.

 

 

1.帝京大学の女子大学生の学歴区別&男女性区別の指摘(論点整理)

 

先ずは論点整理.

→新卒説明会の応募での学歴フィルター・性別フィルターの存在を就活生がTwitterで告発

 

帝京大学(Status-Frank)の女子学生(female)が就職ナビサイト(NAVISITE-X)を使ってある企業(Company-C1)の説明会にエントリー(IMPUT)したところ,全部満席との表示(OUTPUT-1)との結果が示された.

 

女子学生(female)は満席になるのが早すぎるのではないか?と疑問に思い自分の登録情報を早稲田大学(Status-Arank)してエントリー変更(IMPUT)したところ,説明会では空席ありとの表示(OUTPUT-2)が表示された.

 

この結果に不信感を抱いた女子学生(female)は,次に性別の設定を変更して実施することを思いついた.

帝京大学(Status-Frank)の男子学生(male)としてエントリー(IMPUT)したところ,こちらも空席ありとの表示(OUTPUT-1)が表示された.

 

※大学ランクはAを筆頭として,A・B・C とアルファベットが進む程に低くなり,Fは入試を受ければ基本的には誰でも合格できる大学の総称.結果は0は無条件合格,1が先着順等の条件付き合格,2が不合格.

 

Fラン大学の就職差別

 

この情報を発信したTwitterがバズって拡散して炎上し話題になっている.突っ込みどころが満載の興味深いネタである.女子大生は大学のランクだけではなく,性別を変えて結果を確認したことがポイントであろう.

 

学歴フィルターは学歴区別として主張しつつ,雇用における男女の均等な機会の不公正を暴いた点を評価したい.仮説→事実確認→検証がおおむね適切に実施できている点で,少なくない人数がいる低能で低俗な新聞記者が書く記事よりもまともだと思う.

 

ただし,残念ながら検証が少々欠けているので,次の点を試してから発信していただきたかった.早稲田大学(Status-Arank)の女子大生(female)としてエントリーした際の結果がついていないのがもったいない.

 

ちなみに私はこれはガセネタ(フェイクニュース)である可能性も大いにあると考えている.なぜならば,これが事実だとしたら性別区別の点は大問題であるし,リスクマネジメントの知識や経験が欠片でもあれば,こんな危ない橋はわたらない.こんな事実が判明したら,当該企業の信頼性やブランドは棄損することが必至であり,実施するメリットが皆無であるからだ.

 

こんな馬鹿なことを実施する企業は本当にあるのか? 新聞社も創作文を事実報道として流するケースが多々あるため,この女子大生の告発は疑わしいと当初は思っていた.ただ,どうやら本告発はノンフィクションであり,リスクとリターンも計算できない頭の悪いナビサイトと採用企業が変わらず溢れている可能性が大いにあり,本件を弱者の勇気ある事実の告発として取り扱うこととしたい.

 

 

2.就活は「機会の平等」と「結果の平等」を明確に区別すべきではないか?

 

 

暇人とレイシストの巣窟であるヤフコメを筆頭として,最高の知のるつぼのTwitterでも,算数や論理的思考ができない皆様が大いに本件に油を注いで炎上させている.学歴区別を否定するFランク大学を叩く意見や,男女雇用機会の平等性に苦言を呈する意見だ.

 

自由に意見が言えることが日本の素晴らしいところであり,私も学歴フィルターは否定しない(Fラン大学の是非についても本トピックでは言及しない).大学受験という世界で一番公平な試験による選抜を経て,結果を残して高学歴を得た学生を優先的に採用することを,営利企業が優先評価することをどうして否定できるだろう? 

 

問題は,採用結果が高学歴企業の学生だけになるということではなく(MARCH未満で財閥系商社に誰が入社できるのか?),エントリー段階で明示せずに学歴フィルターをシステム実装して企業が利用していることであり,男女性別によるパラメーター設定したシステムを提供&利用している企業があることである.

 

帝京大学の女子学生の告発で明らかになった就活ナビサイトがやっていただろうことを単純化して図示する.

 

就活の学歴フィルター

 

これが就職ナビサイトが提供していた学歴フィルター及び性別区別のシステムである.おそらくこのような設定になっているのではないかと予想される.パラメーター設定とフローチャートを示せばわかりやすいが,単純化している点はご容赦いただければ幸いである(頭が弱い図で申し訳ない).

 

私は超現実主義者なので綺麗ごとを言うつもりは欠片もない.学歴フィルターで候補者を絞り,ペーパー試験と適性検査で候補者をふるいおとして,エントリーシートには志望動機という名のお世辞を書かせて,面接では表現の上手さを問う.これが日本の就活である.この是非に文句を言うつもりは毛頭ない.事実として就活の成否は学歴と小手先のテクニックと運と縁が大きく左右するので, 学歴は取り戻せないがその他のファクターは少しの努力で挽回も可能であるからこそ素晴らしい.

 

ただし,それは選考時に実施することであり,エントリー時に実施することではない.ここははっきりさせておこう.受験時に出身学校で区別や差別をする学校があるか? この最低限の選抜機会の機会均等という前提条件を犯すくらいにこのネタは極悪なのだ.センター試験は得点数で足切りがされる? それは明示されており,仕組みとして共有されているから問題とならないのである.

 

例えば,国公立大学受験では二段階選抜の実施が表明されており,第一段階の選抜として予め設定した倍率を超える志願者をセンター試験の得点のみにより不合格とすることがあると受験者が共通認識として持っている.要はセンター6割得点できなかった人は旧帝大の2次試験に進めないというわかりやすい基準だ.選考基準を明確化すること.これは最低限の情報共有である.

 

 

にも関わらず,この就活ナビサイト及び企業は,エントリー段階で学歴と性別の区別を実施して,それを公表していない(公表するはずないのであるが).これが卑劣であると声を大にして言おう.後ほど述べるが,説明会を実施することの価値とベネフィットも検証できず,就活ナビサイトのカモになっている愚かな企業(何万社ある)だから,創造性の欠片もなのであろうが,機会の平等を前提条件として守れない企業はこのように糾弾されて致し方が無い.ブラックな企業は情報公開されるのが労働者のためだ.

 

日本の腐った採用選考へのアンチテーゼでもある.この面談は選考ではありません.本日の会は採用選考とは関係ありません.この言葉から始まる早期選考がどれだけ多いことか. 採用に直結するのか直結しないのかはっきりしない選考で世の中は溢れている.

 

リクルーター面接で,青田買い面接を明言せず実施するケースは昔も多く見られたが、近年はより顕著である.諸悪の根源は経団連の「採用選考に関する指針」とその採用スケジュールを表面上だけ守ろうとする企業の採用姿勢にある.使えない50歳以上のバブル世代に退職割増数千万円を上乗せするだけではなく,若者から搾取している.クーデター起きてもおかしくない現実だ.

 

就活の選考段階において学歴を区別するのは企業の選抜基準なので大いに結構(筆記試験で点数さをつけるのか,学歴で点数さをつけるのかの違いと類似).しかし,受け入れ段階,つまりエントリー段階で利用者にはわからないように学歴区別するのは卑劣であり,やってはならないことだろう.そして,男性女性という性別による区別もしている.これは男女雇用機会均等にも関わってくる問題である.

 

ちなみに,本フィルタリングサービスを提供したのは「マイナビ」とのこと.繰り返すがエントリー段階での学歴フィルターは実装するべきではなく,性別フィルターはどの段階でもタブーである.炎上先はフリュー株式会社とのことである(リスクマネジメントはなっていない).

 

どちらが糾弾されるべきか?と問われれば前者だろう.就職支援会社が提供するサービスの設定を変更するだけで、性別&学歴フィルターが利用できてしまうこと自体が問題なのだ.そもそも,説明会に参加する必要がある企業か?(製品・サービスともに企業サイトを見れば一目瞭然.)

 

そして,どの企業でも,採用ページに「エントリーはマイナビorリクナビから」と,自社に興味をもってくれた貴重な人材をナビサイトに誘導するというフローは理解に苦しむ.そのサービスは高い金を払って使う価値があるのか? 検証するべきではなかろうか?

 

 

3.企業説明会を開催する必要があるのか?

 

そもそも論として,就活説明会というイベントに対して弊社は懐疑的である.就職ナビサイトに高い金を払って,ホテルや会議室会場を借りて会社の説明会を実施する.このイベントのどこにバリューがあるというのだろう? その上,大学名や性別で参加者をコントロールするという,カネをかけて自社ブランド毀損リスクを冒す行為が理解に苦しむ.

 

ほとんどの大学が学内での会社説明会を開催している.ターゲット大学に出張して開催すれば良い.その仕組みの延長がリクルーター制でもあったはずだ.特定大学の学生の青田買いが不公平などという批判に正面から応えず,裏でフィルタリングすることが正しいといえるのか? 学生からの評価を得られると思うのか? 

 

学生は貴重な時間と交通費を費やして企業の説明会の枠を争って予約する.その説明会に参加して得られる情報は基本的には企業の公開情報であり宣伝である.そして,参加して選考が進むというメリットがあるわけでもない.説明する側も参加する側も稼働とカネをかけて実施する価値があるイベントだろうか?

 

はっきり言えば,説明会・合同企業説明会はカネ余りの余裕が広告費として,ドブに金を捨てる前提で投資する以外は開催するメリットがないと考える.そんなイベントに付き合わされる学生の気持ちを考えるべきだろう.それとも,無駄金を投資する余裕があるくらい好景気なのは望ましいと喜ぶべきなのだろうか.

 

 

5.学歴区別は当然なものとして受け入れて合理的な就活を提案したい