★「新入社員の配属」配属希望の通らなかった皆さまへ「配属不満」★

 

2013/07/02

 

新入社員の配属

 

◆新入社員のみんな配属希望は通ったかい? 残念ながら新入社員の配属希望が通ることは少ない | 配置は人事部の机上の判断 | 理不尽なことも少なくないが,ブラック企業でなければ辞めずに続けよう◆

 

大学の後輩の新入社員が東京での研修を終えて,地方の支店(一応政令指定都市だが,まったく縁もゆかりもない土地)に配属が決まったとのことで,絶望していると連絡があった.彼の入社した企業(東証1部上場の大企業)は約200人の新入社員の内,8割が東京勤務,1割が海外勤務,1割が地方勤務(内 大阪と名古屋で半数.残り半数が地方支店)とのこと.グローバルに舵を切りつつある企業の典型的な配置ではないかと思う.

 

 

●新入社員の配属希望はどこまで考慮されるのか?●

 

彼は支店があるのは知っていたものの,当然東京での勤務だろうと考えていて,気にしていたのは職種の希望が通るかどうかであったらしい.それがまさかの地方支店配属になり,茫然自失の状態で連絡があった次第だ.5%のくじを引いたようだ.彼いわく最悪のはずれくじ.

 

絶望的という言葉を何度も聴き,そんなことで絶望するなよ☆(笑) とも一瞬思ったが,彼は自分が母校の大学で就職活動講演にてアドバイスした後輩であり,悪くないよと勧めた企業であり,まさかそんな人事をしているとは思わなかったため(10年前は全員東京配属でその後希望者のみ海外),申し訳なさと同情の気持ちが大きくなり,親身になって相談するとともに,前向きなアドバイスをした.

 

世の中を見回して見れば,彼のように意図せぬ配属や異動のケースは少なくないが,同様に納得のいかない配属に悩んでいる方も多いと思うので,新入社員と入社数年の若手のみなさまへの励ましのメッセージとして綴りたい.

 

 

●配属希望が叶わなかった時にすべき選択は?●

 

本稿は地元企業で就職した方や,地域勤務を希望した方々を対象とはしない.地元というのは素晴らしい選択であると思うし,希望が通ることはラッキーなことだ.わざわざ阿呆みたいに土地(家賃)が高く,人混みが酷い東京に目的意識もなく出てくる必要はないと断言する.憧れの街東京? きっとそこは格差社会の最前線の現実がある.憧れは脳内で描いているときが一番輝くお花畑さ.

 

幸せの形は人それぞれであるが,1,000万人以上の東京都民のうち,地方出身者の幸福度が地方の方々よりも優れているかといえば甚だ疑問である.地方の人間にとって、東京は金がなければ十分に楽しめないし,チャンスや人脈を手にする能力や積極性,運がなければ決して住み良い環境などではない(個人的感想).覚悟・能力・運のいずれかがあれば,最高に楽しい街であることは間違いないが….

 

先ず,納得のいかない配属先(ここでは職種ではなく土地/場所とする)に決まった彼と,似たような境遇の新入社員に心からお悔やみ申し上げたい.

 

新入社員の配属希望

 

●社会人スタートを地方で過ごし,働くディスアドバンテージ●

 

刺激やら生活環境やらなにもかも東京(大阪)とは違うし,往々にして地方都市の広がりの狭さと退屈さは欠伸が出るなどという言葉で表せない程のものだ.東京で学生時代を送った方ならなおさらだろう.もの凄く大きな違いと失望を感じるかもしれない.だからこそ,

 

「希望していない人間を地方配属にする人事は糞である」

 

と企業を糾弾したい.この記事を読んでいる方の中で,経営者や人事関係者は猛省していただきたい.会社に取ってのベターな配置などと言うが,本人にとってはたまったもんではない.彼のケースで言えば,採用する時に,企業や採用担当者はグローバルカンパニーを謳っており,勤務地は東京か海外と説明していた(それで学生を釣るのさ).もちろん,多くの社員は東京勤務であり希望者の一部は望み通り海外配属になった.でも,意図せずまったく縁もゆかりもない地方に配属になった彼と決して少なくない他の新入社員のモチベーションはどうなるのか? 必要悪だと考えるのだろうか? その時々の景気で左右される新卒採用といい,企業の人事戦略は往々にして非効率だ.いや,愚策ばかりだね.それでも彼と同じような境遇となっても以下のことを伝えたい.

 

 

●新入社員のみなさんには,簡単に辞めないことをおすすめする●

 

大企業の社員はこの格差社会においては恵まれた境遇にあると言えるからだ.彼の例で言えば,労働環境は決して悪くないし,サービス残業もほとんどない.年休も年20日きっちり取れる.給料は大したことないと感じるかもしれないが,日本企業の年功序列は制度であるので仕方がない.上手く工夫すれば残業して稼ぐことも可能だ(日本に同一労働同一賃金はきっと根付かないだろう…).もちろん,これは彼の会社のケースであり,それぞれの企業で環境は異なるだろうが,大手上場企業であれば大抵の場合似たりよったりだろう.相対的にそこそこ恵まれた境遇にいるということは伝えておかなければならない.

 

そして,仕事は本人次第だ.生活環境や職場環境はそれぞれだけれども,そう,仕事は自分次第.大切なことなので2回言っておこう(笑).だから,会社のためではなく,自分と自分の大切なもののために,腐らず頑張って欲しい.その頑張る対象は仕事に限らず,自身の将来の夢や展望に向けての努力を指す.

 

退屈でウンザリするような環境かもしれないが,大した娯楽も刺激もないからこそ,学べる時間があるではないか? 同期が東京でコンパ三昧して楽しんでいる時間,自己研鑽できるではないか.そんなの詭弁だってあなたは言うかもしれない.でも,糞みたいな人事発令を受けたら,それが酷ければ酷いほど,芽生えつつあった会社への忠誠心や信頼は消えただろう.これが現実であり,世の中の企業の大半は同じようなもんだ.幸いにも君たちは雇用契約で守られているし,組合は普段は糞だが一応は我々の味方だ.(※なお,地方で楽しいこともいっぱいあるし,女の娘も田舎の方が擦れてなくて可愛かったりする.実際に嫌々地方配属されたけれども,大好きになった(良い女の娘に出会った)というケースも結構あったりする.だから腐っている時間はもったいない)

 

配属の希望

 

●これから頼りになるのは所属する組織ではなく,個人の能力である●

 

君がどんな能力を持ち,付加価値を持っているかが重要になる.だから現在の環境で我慢して,専門性やオリジナルスキルを磨こうではないか? 中途半端に悪くない配属になって会社の歯車になるよりも,このように捉えてはどうだろう.もしくはそんな前向きにならなくても,どうせ3年かそこらで異動だろ? と割り切って我慢して会社のために働くのも全然ありである.個の能力が問われると同時に,大きな組織に所属していることは絶対的なステータスになりえるから,守りの姿勢も全然悪くないし,ずっと守り続けられれば価値を持つ(※だから安易に個人の能力の時代だぜ!とは煽らない.ただ方向性としては多くの本でも語られている通り,パーソナルスキルの時代になってくると思う).

 

そこで,会社を上手く利活用しよう! と提案したい.そしてステップアップするなり,独立するなり将来のビジョンを描こうではないか.自分と自分の大切なものが何であるかを明確にし,そのために努力する.それでも我慢できなければ転職も選択肢としてありえるが,転職市場は新卒採用よりずっと厳しいことを覚えておいて欲しい.先ずはいまの環境で踏ん張ることをお勧めする.なによりも22歳~25歳という若さという最高の財産が君(たち)にはあるのだから(すっげー,羨ましいぜ!).

 

君(みな)の幸運と健闘を願っている.

 

※上記のメッセージは彼と,同じような境遇(大企業)の若手社員に宛てた文章であり,俗に言うブラック企業で搾取されているみなさまへは一刻も早い身の振り方をお勧めする次第である.

 

就活対策