★「公務員の魅力」公務員給料は年功序列で年長者に手厚い「若手公務員は低年収」★

公務員の給料

 

◆国家公務員と大企業社員の30歳給料比較 | 公務員給料は年功序列であり若いうちの魅力は少なく年長者に手厚い | 生涯年収を比較すると公務員は高給取りである | 公務員の魅力は役職定年と賃金減額がないこと | 官僚の天下りは薄給に対する補償的要素の意識が諸悪の根源◆

 

  • 公務員の給料引き上げは賛成.ただし,若手の報酬だけを上げよ!

 

2016年11月に公務員給与を引き上げるための改正給与法が賛成多数で成立しました.民間企業の業績が向上し政府の税収が増えたため,公務員の給料を引き上げるとのことです.賛否両論ありますが,個人的には公務員だろうが何だろうが労働者の給与アップには賛成です.生活保護をはじめとする働かざる者や,弱者への手当を充実させるよりも,労働者への報酬を手厚くすることは否定されるべきではないでしょう.

 

  • 日本の公務員の問題は,その給料(報酬額)ではなく,システムと生産性である.

 

と断言します.加えて公務員に限らず,年功序列は非効率で非合理的で維持不可能なシステムになってしまっており,ここにメスを入れなければ,日本の雇用の継続性は担保出来ない段階まで来ていると考えます.管理人は「同一労働同一賃金」に全面的に支持しています.しかし残念ながら現実は,公務員の完璧なる年功序列システムや,企業の新卒礼賛,プロパー社員保護が強固なシステムとして構築されており,絶対に導入されないだろうと冷めた目で見ています.

 

さて,世間では叩かれることの多い公務員ですが,公務員の報酬について正確に情報発信したり,公務員の給料を分析した記事は少ないように思います.昔の記事を整理していたら,大変に懐かしく貴重なデータを発見しましたので,加筆して再掲することといたします.最近メディアで目にする機会はめっきり減りましたが,東京大学卒で経済産業省の元キャリア官僚であるうさみのりや氏が給料を赤裸々に情報発信していたものです.実に興味深くレアなデータを早速ご覧いただきましょう.※以下の数字は消失されてしまったという宇佐美典也氏の旧ブログデータから引用しています.

 

 

●東京大学卒 経産省キャリア官僚 宇佐美典也氏(30歳時)給与

 

  • 2012年2月の給料(時間外勤務:35時間 休日勤務:8時間)

棒給    :29.2万円

特別都市手当:1.7万円(勤務地が都市の場合地価・物価を考慮しての多少の地域加算)

超過勤務手当:12.3万円

住居手当  :2.7万円

総計    :45.9万円(≒額面給与)

 

  • 控除(額面給与から引かれる分)

生命保険料 :0.3万円

共済会費  :0.1万円

健康保険料 :1.3万円

長期掛金  :3.0万円(共済関連)

雇用保険料 :0.3万円

所得税   :1.7万円

住民税   :2.7万円

控除合計  :9.4万円

 

  • 銀行振込額(手取り給与):36.5万円

 

これをどう見るかは個々人のステータスとポジショニングによるので,意見は大いに分かれるでしょうが,東京大学を出て難関試験を突破し,この国の運営を担う職業である国家一種の官僚の給料としてはなんとも夢のない話です.キャリア官僚になっても稼げないしおいしくもない.だから医学部人気が上がる.

 

若いうちにこれだけ薄給で苦労するのだから,天下りが当然の権利であるという認識が官僚の皆様に芽生えるのももっともな話でしょう.ただ腐ったシステムの上におかしな仕組みを構築して上手くいくはずがありません.優秀な人間は待遇が大して良くない公務員を目指すことはなくなり,必要のない無駄な仕事ばかりが量産される.そして残るのは,生産性が低いままの公務員システム.どこにも救いがありません.

 

生産性なき公務員

 

●大手通信企業の給与(管理人30歳時)(30歳の大手サラリーマン給料)

 

比較対象があった方がわかりやすいと思いますので,管理人の前職の給与を参考情報として記載します.関西の某関関同立大学出身で大手通信企業に勤務していた頃の給与情報です.※千円以下切捨

 

  • 2011年2月の給料(時間外勤務:19時間)

基本給    :30.2万円

都市手当     :2.3万円

住宅手当     :3.0万円

→定額収入/月:35.5万円

+超勤手当   :5.1万円(19時間)※約2,600円/時間

総計     :40.6万円(≒額面給与)

 

  • 控除(額面給与から引かれる分)

健康保険料       :1.5万円  

厚生年金保険料   :2.9万円

雇用保険料       :0.2万円

市町村民税       :3.0万円

企業年金基金掛金 :0.1万円

→定額控除/月    :7.7万円

生命保険&損害保険掛金:1.6万円

組合費&食堂利用費等  :0.8万円  

→定額個人負担控除/月 :2.4万円

控除合計:10.1万円

 

  • 銀行振込額(手取り給与):30.5万円(40.6万円 - 10.1万円)

  • 年間賞与(年間ボーナス):135.9万円(基本給(30.2万円)×4.5ヶ月)

  • 額面年収:613.9万円 ※355,000円(月収)×12ヶ月 + 135.9万円(賞与) + 2,600円×200時間(年間超勤手当)

 

公務員の給料

 

●公務員と大企業のリアルな給料と年功序列の給与体系

 

  • 東証一部上場の大手企業では30歳年収が600万円を超える.

 

いわゆるサービス残業は一切なし.この前年の方が忙しかった(残業を年間400時間程実施した)ため,29歳時点の年収はこちらに+50万円程の660万円でした.というわけで,同じ時間残業をしていれば,うさみ氏とほぼ同じ給与と言って良いでしょう.いかがですか? キャリア官僚の給与が一般的な大企業のそれと大して変わらない現実.天下りによる収入倍増の可能性も小さくなった現在,官僚は決して恵まれた待遇とは言えず,優秀な人材を獲得するのに苦労しているとするならば,日本の将来が心配になってしまいます.

 

ただし,これはキャリア官僚に限った話であり,国家公務員2種や地方上級公務員をはじめとする地方公務員の給料について検証すると,また違った景色が見えてくるから興味深いです.特別に給料が高いわけではありません.例えば採用倍率が20倍を超えることも少なくない東京都職員の40歳時の給料は,モデルケースで700万円程度(40歳主任 328,600(月)×1.18×12=4,6529,76円.これに加えてボーナスが4ヶ月少々の約165万 +残業代)です.高給取りである大手商社やメガバンク,マスコミと比べればずっと少ないですし,日本の優良大手企業と比べても,10%以上は安い金額でしょう.

 

がしかし,多くの人が見落としているポイントがあります.絶対に潰れない安定性があるとか,退職金が大きい点ではありません(これこそが公務員の最大の強みではあるけれども).公務員は定年まで生涯年功序列なのです.給料が下がることは永遠にない.学生や若手サラリーマンはこの価値が理解出来ないかもしれませんが,50歳以上の方が聴けばほとんどの方が阿吽絶叫すること間違いなしでしょう.

 

→最新!「公務員年収ランキング」トップ500(東洋経済新報社)

 

 

●公務員の生涯年収は高く魅力的.役職定年がなく二次関数的に給料は上がり続けるが,若い頃の低収入を我慢できるか?

 

  • 市役所職員給料は「25歳約400万円」「30歳500万円」「35歳550万円」「40歳650万円」「50歳750万円」「55歳850万円」「60歳1000万円」若者時は薄給だが永遠に上がり続ける.

 

民間企業では大企業や中小企業などの規模や業績の違いに関わらず,役職定年という制度が大抵導入されており,幹部職候補に残っていなければ,55歳になると給料が大幅に削減されます.銀行などはもっと早い時点(50歳前後)で子会社出向という片道切符があり,こちらも給料が引き下げられます.詳しくは役職定年や子会社出向でググっていただくと良いでしょう.サラリーマンの悲哀です.

 

この昇給の天井が公務員には存在しない.もちろんそれぞれの昇進具合によって給料は変動するのだけれども,賃金差は最大で3割程度であるため,55歳以上の公務員であれば,700万円~1,200万円の報酬が確約されます.これは東京都職員や横浜市職員などの大都市職員に限った話ではなく,10万人以上都市の市役所職員であれば,大抵がこの水準でありますし,全員この年収が担保されていると言って差し支えないのです.これを高いと思うか安いと思うかはご覧になっていただいている方の状況次第でしょうが,公務員が人気であるのも頷けます.

 

超優良な日本企業(例えばトヨタやメガバンク)でも,若いうち(例えば30歳まで)はどんなに優秀で頑張っても年収が1000万円を超えることはほとんどありません(総合商社,財閥不動産,大手メディアを除く).人口減少が確実で財政状態に不安を抱える日本で,生産性に疑問だらけで何の仕事をしているかわからない年配の公務員に対して,TOP5%の優秀な若者以上の給料を支給しているという現実.この公務員の給料水準と体系を維持出来るのかは大いに疑問がわきませんか?もちろん正規職員に限った話(非正規は地獄絵図)です.

 

最後に,現在中高年の公務員の皆さまは間違いなく勝ち組だろうけれども,これから公務員になって同じ給料が約束されると思う? という疑問を公務員を志す学生に投げかけたいと思います.だからと言ってどの企業や職が青い芝生だよと自信を持って案内出来る未来もないのだけれども.経済成長が見込めないグローバル競争社会においては,個人のスキルを磨くしかありませんね.ではでは!

 

  • 公務員には役職定年がない.平成まではそれが成り立ったが,これから公務員になる若者がそれを期待できるか?

 40歳を過ぎてから公務員になれるなら人気だろうなと思いつつ,新卒採用時に公務員になりたいとは欠片も思わなかったし,いま戻れたとしても公務員という選択はありません.生産性の欠片もない仕事とルーチンワーク.どちらも耐えられません.それでも,公務員の最高の特典の一つは役職定年がないことです.年功序列の凄さと恐ろしさと言えるでしょう.これまではこのシステムが成り立ちましたが,没落途上の日本で年功序列の仕組みが維持できるとは思えませんので,今後公務員を志す方は,この点は意識しておいた方が良いかもしれません.それでも,民間基調の中高年への賃金減額の実態を知れば,やっぱり公務員が良いとなるのも頷けます.衰退する社会ではどこにも青い芝生はない.この絶望的な現実が少しでも改善すれば良いですね!

  • 一定年齢で賃金減額を行う企業は34.5%.→3分の1の企業が中高年層(40歳代後半~50歳代)を対象にした賃金減額措置を導入している.
  • 賃金減額を開始する年齢は55歳38.6%,56歳21.4%,57歳14.3% →55歳~57歳のタイミングで賃金減になる.

 

→中高年層の処遇と出向・転籍等の実態に関する調査

 

 

  • 役職定年で4割の人の年収が半分未満にダウン

→50代・60代の働き方に関する意識と実態