★銀座に奇跡の「ワンオペ」イタリアンレストラン 飲食店の1人運営についての考察★

 

ワンオペレーションの飲食店は苦手です。大抵は無理が露骨にあらわれて、店員が疲弊するだけではなく、客もギスギスしていく。

 

でも、その価値観をぶっ壊す素晴らしいお店に出会ったのでレポートします。

 

「ワンオペレーション」(one operation)というシステムは、その名の通り、1人の人間がすべての作業を実施することを意味します。

 

飲食店でいえば、注文(オーダー)、調理、ドリンク&フード提供、決済(会計)、片付け、この主な5つの機能を一人で完結させるなければなりません。仕入れや準備といった業務も必要です。

 

店舗規模が10人程度までのカウンターだけの飲食店であったり、ドリンク提供しかしない、つまりは料理提供をしないBARであれば、ワンオペでなんとか店舗運営できることもあります。

 

しかし、基本的に一般的なレストランにおいてワンオペ運営は厳しいです。というか破たんすることが多いです。

 

当たり前です。一人で作業することに限界があり、ヒューマンリソースを増やさないことにはサービス提供が限定される。

 

そう思っていました。でも、奇跡のお店に遭遇しました。

 

「gindachi(ぎんだち)」銀座の路地裏で賑わう立ち飲みワインバー

 

この銀座の小さなイタリアンにワンオペの極みを見ました。素晴らしいです。

 

20歳代半ばと思われる若者(イケメン男性店長)が、カウンター5席少々と、立ち飲み20席前後のイタリアン飲食店を実にスムーズに運営しています。

 

これほど有能な人間を見たことがなく、衝撃を受けたのです。細かく説明するのは別の機会にするとして(気が向いたら)、飲食店でここまで優秀な人を見たことがありません。イケメンで有能なのは珍しく、嫉妬よりも尊敬の念が溢れてきました。

 

例えば知的労働の分野というのは、スキルの限界値は測定不能であり、仕組みを考えたりアイデアを発想したり、運が良かったりすると、莫大な価値のアウトプットを生み出せたりします。

 

でも、単純労働といっては失礼かもしれませんが、飲食店で客からオーダーを取って、調理をして、ドリンクとフードの提供をして、会計して、片づけることの作業量と作業効率は、限界があるわけです。当たり前ですよね、身体は一つなんですから。

 

でも、gindachiの店長は1人で3人分くらいの仕事をします。ちょっとありえないくらいにスムーズです。25人規模の店だと2人~3人程度で運営するのが一般的ですが、一般的な3人運営店舗と同等以上の働きをしている。信じられないくらいにテキパキ仕事をこなし、感じ(接客等の全般対応)もすこぶる良いのです。

 

ワンオペ飲食店経営は厳しいと考えていましたが、この店舗を見ると超優秀な人であればワンオペ経営できると感心した次第です。

 

すべての飲食店経営の皆さまに、銀座にあるワンオペの極みのこのイタリアンを訪れてみることをオススメします。これ以上勉強にはなる現場はないでしょう。

 

にしてもどうなっているんでしょうね、日本の飲食店。コスパが最高なレストランは大好きですが、ちょっと労働価値(労働単価)が低すぎて疑問に思います。美味くて安いは正義だけれども、その正義は消費者の利益であって働く人の利益ではない。

 

 

彼がどのようなモチベーションとインセンティブで働いているのかはもちろんわかりませんが、彼のような優秀な人材を雇えているオーナーはラッキーですし、引き抜き合戦が起きるくらい日本の労働市場はもっとひっ迫すべきですよね。

 

コスパ最強店舗に感謝しつつ、海外ではまずありえない「安くて美味い飲食店」が成り立つ日本の独自性に思いを巡らせた次第です。