★「モスバーガー業績不振」悪評記事から赤字転落「モス復活に向けた処方箋-新商品開発とコスパ改善-」★

 

◆「モスバーガー復活に向けた処方箋の御提案」「モスカフェとロコモコの展開戦略」「モスバーガーをディスってマクドナルドを持ち上げる記事から考察するガセネタ・フェイクニュースについて 」「モスバーガーの本当の課題」「モスバーガーが赤字転落(2018年度決算)」◆

 

モスバーガーの業績

 

●マックをヨイショしてモスバーガーを誹謗中傷する記事や報道がモスの業績悪化を加速させた

 

 

昔からガセネタををビジネスの種とする人は少なくなかったけれども,最近では新聞や雑誌からも平気でフェイクニュースがばら撒かれている.その中でも,テレビのワイドショーが情報弱者を洗脳する最も発信力の大きいメディアであるが,ネットの影響力が強くなった昨今は,ネットにでたらめな記事を配信する人々が増えて,それを見て真偽を判断できない人々に誤った情報を信じさせたり,カモにしたりしている.

 

 

ゴミ記事が多く配信されるネットメディアでその傾向は顕著だ.直近で話題になりつつ質が酷かったのは以下の記事だろう.

→モスバーガーが「創業以来2度目の絶不調」に苦しむ致命的な原因

 

 

マクドナルドの好調決算に対しモスフードサービスが減益であることを比較して,モスバーガーをディスる記事である.だらだらと長い文章が続くが,決算分析や経営分析の要素は欠片もなく,改善に繋がるような問題点を指摘できているわけでもない.読んだ後に発見も学びもない中身がスカスカな記事で,出来の悪い学生の感想文のようだ.マクドナルドを褒めるだけの提灯記事. 

 

 

そもそも,モスバーガーが業績不振かと言えば決してそんなことはない.IRを見ればすぐにわかる.成長はしていないけれども,業績は横ばいだ.この人件費高騰,人材不足を主因とする外食不況の中で,奮闘していると言ってもいいだろう.事実として言えることは「マクドナルドは業績が急速に改善して好調」「モスバーガーは売上横ばい,利益減」ということくらいだろう.

 

 

この現代ビジネスの記事が話題になったことに便乗して,更に香ばしい記事がITmediaから配信された.

→モスバーガーが「創業以来の絶不調」である、もうひとつの理由

 

 

モスバーガーの客数が伸び悩んだ原因は「分煙」であると主張し,マクドナルドが「全店禁煙」であることを事例に出して,禁煙への変革を促している.相関関係と因果関係もあったものではない.

 

 

確かに日本の煙草規制は問題だらけで,分煙の不備は多くある.全店禁煙にすることで嫌煙家や煙草が苦手な層の集客に効果を発揮するだろう.ただし,禁煙というのは,都心部のレストランでは既に取り組まなければならない必須要件となりつつあり,差別化戦略にはなりえない.

 

 

にも関わらず,モスの分煙を問題視して全店禁煙にすればすべての問題が解決して,業績が改善する展望を語る無責任な意見であろう.何かの問題に対して科学的・定量的な分析をせず,自身の主張を正義に繋げるような記事が本当に増えた.これは危惧すべき事態だろう.

 

 

●モスバーガーの業績不振の原因と課題「商品に魅力がなくコスパが悪い」

 

 

批判や批評だけするのは非生産的な行為であるため,モスバーガーの業績がふるわないのはなぜか? 簡単に私論を述べたい.モスが成長鈍化した理由として,大きくは以下の2点に集約で説明できると考える.

 

 

①ライバルの攻勢「高級ハンバーガー」「回転寿司」

 

・高価格・高品質のハンバーガーショップが都会を中心に出店

・スシロー等の格安回転寿司店舗の増加

 

 

マクドナルドとの比較において,モスバーガーは「美味い」や「高品質」をPRすることができた.しかし,高級ハンバーガーショップの出店により,その強みは消えてしまった.ハンバーガーにこだわりを持つ層に対してモスの商品では訴求できない.なぜなら,とびきりバーグサンドより美味しいバーガーを他店が提供しているからだ.

 

 

そして,モスの顧客をごっそりさらっていったのが回転寿司店である.モスがターゲットとする家族連れがモスと同価格帯のスシロー,くら寿司,カッパ寿司に流れた.都市への出店を加速させる回転寿司は今後サラリーマンやOLのランチ需要も食うため,モスはさらに客を奪われることになるだろう.

 

 

以上は外的要因であるが,モスフードサービスの戦略も実にお粗末である.

 

 

②モスバーガーの商品戦略と価格戦略のミス

 

・中途半端な商品の価格

・旧態依然のオペレーション

 

 

マクドナルドがなぜ業績を改善させて好調なのか? 説明すると長くなるが,一つの大きな勝因として低価格商品の充実にある.マクドナルドは高価格商品と低価格商品を明確に分けたのだ.マクドナルドヘビーユーザに教えてもらったお腹がいっぱいになる最高にお得な商品の組み合わせは「チーズバーガー」×2個と「チキンクリスプ」である.合計360円!!!

 

 

マックのダブルチーズバーガーが320円/個であることを考えれば,衝撃的に安い価格である.この組み合わせに100円コーヒーを組み合わせてもワンコイン500円でお釣りが出る.マックは安い商品は徹底的に安いのだ.こちらで客数増を促しドリンク&サイドメニューで利益をカバーする.そして,ビックマックやグランを注文する顧客は利益の貴重な源泉であり,最高にありがたい顧客だ.

 

 

一方でモスの季節限定バーガーやご当地バーガーは商品も値段もどちらも酷い.別にモスを否定したいわけではないので細かく指摘するつもりはないが,あの商品戦略と価格戦略で新規顧客の獲得やリピーター需要を取り込めるわけがない.逆に現在の横ばいな業績は実に奮闘していると思う.モスを愛するロイヤルユーザーに支えられているのだろう.

 

 

オペレーションについては,モスは待ち時間がとにかく長いのだ.空いている時であればさほどではないが,複数人レジに並んでいると二次関数的に待ち時間が長くなる.オペレーションがマックの足下にも及ばない.テレフォンオーダーの受付もまだ実施しているし,モスのネット注文も微妙だ.ハンバーガーの品質を落とさずに,素早く提供できるオペレーションの改善余地は大きいだろう.

 

 

改善提案は全社的戦略と個別店戦略があるためここで安易に述べることはしない(コンサルティング契約は大歓迎).だが,テレビや新聞,雑誌,インターネット,ほぼすべてのマスメディア媒体について,ガセネタとフェイクニュースによる情報操作や偏向報道,世論誘導が増えている.

 

 

良質な企業研究・分析記事とはこういうコンテンツだ.→モスフードがしぶとく業績を伸ばし続ける理由

定量的な動向分析を実施して今後の課題も指摘している.エビデンスに基づき論理的に結論を出し,オピニオンに繋げており学びがある.

 

 

報道や記事を疑えというのは,言うは容易く実行するのは難しく面倒ではあるが,ガセネタに踊らされる側に立たないために,その情報は「ファクト(報道)」なのか「意見(コメント・オピニオン)」なのかを区別する視点を持つべきだと声を大にして意見を申し上げ,締めることとしたい.

 

 

●(2018/10追記)「モス復活への処方箋」モスバーガーは減収減益で純損益は赤字へ!(2018年度決算見込)

 

 

2017年度のモスバーガーの業績は叩かれる程に酷くなかったのに,皆でモスへのディスリ合戦を繰り広げた結果,モスバーガーの2019年3月期通期連結業績予想が発表されて酷い業績となった.メディアが溺れかけた者を叩くかのように一斉に批判的な情報を発信した悪影響もあり、ついに2018年度は純損益が赤字になる見込みである.モスを叩いて赤字にして誰が嬉しいのだろう? 日本社会のふんわりとした悪意というのは本当に恐ろしい.

 

 

モスへのネガティブキャンペーンが悪影響を及ぼしたのは間違いないが,それにしても酷い業績である.

 

モスバーガーの2018年度業績は前年度に比べて「売上高:1割減」「営業利益:9割減」「純利益:黒字→赤字」

 

つまり「減収&減益&赤字転落」とトリプルコンボの悪い数字が並んでおり,実に厳しい決算となってしまった.

 

 

それでもモスバーガーの経営姿勢は素晴らしい.「客足が遠のいたフランチャイズ店に対し営業補償を実施するため計9億6100万円を特別損失として計上」とある.フランチャイズを食い物にするコンビニ経営とは雲泥の差である.

 

 

モスバーガーの経営不振問題は,これまで記した通り「コストパフォーマンスの悪さ」にあり,中流層総貧民化の現代日本社会において,ランチに1000円弱を払える余裕がある層の激減が背景にある.また,コスパの悪さとはマックへの優位性のなさにあり,例えばマックでチーズバーガー2つを購入すると240円で済むが,モスのチーズバーガーは250円である.2倍美味いか? 2個分の価値があるか? というのを経営陣は根本的な問題として捉えないと手遅れになりかねない.

 

 

「とびきりハンバーグサンド」は美味いので多少高くても商品競争力があるが,定番商品だけではなく「期間限定メニュー」「季節メニュー」「数量限定メニュー」のどれを見てもコスパが悪くてこれでは勝負できないだろう.

 

 

そもそも論として,消費者の週1や月1程度の利用がほとんどのハンバーガー屋に,これほどのメニューが必要なのか? メニューが多すぎて原材料費や販売管理費が過剰となっているのではないか? 商品数を減らすことも含めて抜本的な対策が必要だろう.似たようなハンバーガーを多数揃える必要はないし,限定メニューは奇抜さばかりが目立ち,価格は高く大して美味くもない.

 

 

私が経営者ならばホットドッグを充実させる.モスには武器になる目玉商品が必要なのだ.いずれにせよ,経営者に能力が欠けるのか,社員に優秀な人材がいないのか,阿呆なコンサルに騙されているのか,それとも両方なのか,大変に残念な状態である.

 

 

モス業績改善に向けて提案しよう.商品の見直し(商品数減)と商品価格の改定をベースとして,新モスドッグを新商品として開発した上で,モスが戦略的に実施すべきは「Uber Eats(ウーバーイーツ)」等のフードデリバリーサービスの活用である.

 

 

不動産会社やテナント企業,総務に営業をかけて,モスバーガーのデリバリーを実施する.とびきりチーズバーガーと美味しいホットドッグのセットで700円+100円のサイドディッシュを揃えれば,利用するビジネスパーソンは多くいるだろう.都会のサラリーマンはランチに飢えているから潜在顧客は結構な数いるはずだ.

 

 

これ以上財務が悪化して手遅れになる前に,単価ばかり高くて使えないコンサルティング会社に投資して無駄金を使う前に,抜本的な戦略提案を実施すべきであると提案して健闘を祈りたい.弊社にご依頼いただければ復活へ向けて二人三脚で対応させていただく所存である.

 

 

●MOSCAFE(モスカフェ)はコンセプトは良いのにメニューが残念.モスのロコモコの価値提案

 

 

MOS CAFE(モスカフェ)なる店舗を発見して良い取り組みであると感心したのだが,メニュー表を見て愕然とした.価格設定がおかしいのだ.つまり,高い.どうしてロコモコが770円もするのか? ハンバーガーの倍以上の値段である.

 

 

モスバーガーが敬遠される理由の一つとして食べ辛いというのがある.看板メニューのモスバーガーやモスチーズバーガーは綺麗に食べることが困難なのだ.それは,手を汚さずに食べられるハンバーグに需要があることや,ハンバーグレストランのびっくりドンキーが成功していることからも明らかだ.

 

 

だからモスバーガーもロコモコ風のハンバーグ御飯を出すことは理にかなっているし,モスカフェは良い戦略であると思う.だがしかし,価格が馬鹿なのである.はっきり言おう,モスカフェのロコモコの価格設定は馬鹿だ.ハンバーガーメニューの+100円程度でロコモコを提供すれば人気が出るだろうに,倍の値付けをするなどと原価の観点からもサービスの観点からもおかしい.

 

 

モスでは「とびきりハンバーグサンドを増量」するという大変魅力的なキャンペーンを予定しているが,どれくらいの人がご存知だろうか? 良い商品を提供しても,知られなければ意味がない.AIDMAのAttentionとInterestの部分だ.ハンバーグ増量を恒久化して「とびきりチーズロコモコ」を戦略商品として提供すべきだ.

 

 

価格は550円~600円の間に設定する.専用の持ち帰り容器(簡易なもので十分)を開発(調達)して,新商品として売り出せば爆発的に売れるだろう.増量した「とびきりチーズハンバーグ」に150グラムの御飯.これ一つで女性や小食の方であればお腹いっぱいになるし,ダブルとびきりチーズハンバーグロコモコとして,+300円で販売すれば,850円でダブルハンバーグ.ボリューム重視のサラリーマンを中心とする男性客の心に響く.

 

 

ボリュームとコスパと味が担保されたライバルがどこにもいないのだから必ず勝てる.私がプレスリリースとモスカフェ店舗を一目見て&少し考えただけでこれだけのアイデアと戦略が出てくるのに,世の中の経営者やコンサルは何をやっているのだろう? 

 

 

先ほども提案したが,モスバーガーは持ち帰りとデリバリーの戦略を重視すべきで,そのために魅力的かつ圧倒的に勝てるキラー商品を開発して販売する.元々モスは商品力(戦闘力)が高いのだから工夫次第で劇的な復活を果たすことが出来る.ドーナツのような斜陽商品と違い,ハンバーガー/ハンバーグは最強のファストフードなのだ.

 

 

糞使えないコンサルに何千万も払って机上の空論で無駄な投資して頓挫するくらい馬鹿馬鹿しいことではないが,日本企業はあまり賢くないので,営業を受けて適当に良さそうなことを提案されると信じてしまう.そんな残念な事態に陥らないために,モスに限らずコンサルを依頼する際には,弊社も候補に加えていただければ幸いである.マーケティングは長けていると自負している.以上.