★民泊新法により日本の民泊は消滅の危機.官が規制して市場を破壊する残念な国「民泊まとめ」★

民泊ビジネス

 

「過剰な規制により日本の民泊は死んだ」「大問題の民泊新法により違法民泊だけが残る無法地帯へ」「民泊の問題点と民泊市場に起きていること」「民泊新法によりエアビーを中心とした正規の民泊は激減」「観光庁の指示によりエアビー既存予約は強制キャンセル」「コンビニ民泊の可能性」

 

 

まず第一に,私は民泊ビジネスにはもともと懐疑的であった.一切のルールがない無法地帯であったからだ.マンション購入者の立場を考えれば容易に想像がつく.一生で一番高く大切な買い物であるマンションを35年ローンを組んで購入する.終の棲家として慎ましくも平和な日常を送っていたら,隣の部屋のオーナーが民泊ビジネスをはじめて,一日中外国人の出入りがある,騒音でやかましい,間違ってドアの鍵をガチャガチャされる,ゴミを部屋の前に出される.数えきれないくらいの迷惑を日常生活で被ることになる.

 

 

民泊を運営する隣部屋のオーナーには苦情を言おうにも連絡先がわからない.いくら苦情を言っても受け入れられない.だから,マンション理事会でモノ申しても解決されない.住むつもりのない(生活実態のない)投資家が民泊で荒稼ぎして,生活をしている住民が損をする.こんな地獄のような状況があちこちで発生していたため,民泊ビジネスは軋轢と憎しみを生んでいた.民泊に一切関係のない一般市民が日常生活を破綻させられて,住み続けられない被害すら出ていた.

 

 

だから,民泊には何らかの規制や罰則が必要であったことに異論はない.がしかし,国が打ち出した「民泊新法」(住宅宿泊事業法)はちょっと信じられないくらいに愚策であった.日本は政治家の無能が指摘されて久しいが,官僚も救いがたいくらいに劣化が進んでいるのかもしれない.民泊の規制で実施すべきは「既存住民の保護」「把握すらできていない民泊件数の把握」「民泊への課税(決済トレース)」であったのに,国が意気揚々と日本の民泊市場自体をつぶしたのだ.理解に苦しむというか馬鹿すぎて吐きそうである.

 

 

●民泊新法の要点と問題点

 

 

民泊新法については本資料をご覧になっていただければ良い.解説しているサイトも多くあるが,まっとうな民泊ビジネスはリスクと稼働の割にまったく稼げない(利回りが見込めない)ビジネスとなったため,これ以上詳しく知る必要もないだろう(新規参入は少なくとも個人としてはペイできない).

 

 

要点は「非常に煩雑な書類を複数届けて認可を得なければならない」「年間民泊宿泊日数は最大180日まで」の2点であると認識いただけば良い.これを守らないと法律違反として処罰の対象となる.これまでは許可を得ていなくても罰せられることはなかったが,2018年6月以降は罰則金が最大100万円と厳しくなり,取り締まりも強化される.

 

 

その他に「宿泊者名簿の作成」「外国人の場合の旅券の写しを取る」などのルールも遵守せねばならないが,これまでの許可制から届出制に変更されて,都道府県の管理&監督が実施されることと,民泊営業は最大180日までとなったことで,まっとうな民泊ビジネスは2018年6月以降滅ぶことになるだろう.国の民泊新法に加えて各自治体がさらに厳しい条例を制定するケースも続出し,民泊は手間とカネがかかる割に,180日までしか営業できないため,収益が出せないビジネスになったのだ.

 

 

●民泊の問題とは?「外国人旅行者に対し無許可&無届けで民泊を運営していること」

 

民泊実態

※出典:JTB総合研究所

 

 

民泊の問題点は「無許可営業の個人や事業者」が「外国人旅行者を民泊対象」に「確定申告も実施せず」に「宿泊者数と決済金額」さえブラックボックスで運用がなされていたことなのだ.民泊と聞いて,多少知識がある人でも「Airbnb(エアビーアンドビー)」でしょ? と知ったかぶりをする.エアビーは主に英語圏と日本人の旅行者を対象にした民泊プラットフォームであり,問題になっているのは中国系の民泊サイトなのである.※金を使わない韓国人は中国人旅行者の3分の1程度の価値しかないのでビジネス価値は低い.

 

 

誤解していただきたくないのだが,中華系の民泊サイトや中国人旅行者が悪いと言っているのではなく(実際に中国人&台湾人旅行者は実に多くの消費を日本でしてくれており,彼らなしには日本の観光は成り立たないほど依存している),中国系民泊サイトを起点とした民泊ビジネスを,国や自治体や警察がまったく管理できていないどころか,実数把握すらできていないことが問題なのである.

 

 

おそらく政治家も官僚も阿呆な3流のコンサルティング会社も,民泊で起きていることの現実をほとんど把握できていなかったのだろう.現状を把握することすらできない残念な方々が,想像力を働かせて経済合理性のあるクリエイティブな政策を打てるはずもなく,民泊がヤバいという苦情と,既存ホテル業の圧力に安易に屈して,民泊運営に関わるすべての人が不幸になる法律を施行したのが実に日本的と言えるだろう.

 

 

UBERのライドシェア規制の時とまったく同じだ.利便性の視点がまるでなく,結果白タクが溢れて酷い事態になっている糞施策を何度も繰り返し,日本だけが世界のスタンダードから遅れて没落していく.既得権益の利益だけに執着し,利用者や新規参入によるサービスの充実を微塵も考えていないどころか,日本の国益のことなんて頭の片隅にもない.腐っている.

 

 

知識とITリテラシーのない方々には,サービスシーンからイメージしていただくのが良いだろう.中国系民泊サイトを経由して外国人旅行者が日本のマンションの一室を宿泊予約する.そのマンションのオーナーは在日外国人であったり,外資系企業であったりすることがほとんどだ.決済はアリペイもしくはWechatの電子決済で実施されるため,日本円で支払う必要がない(もちろん両替する必要もない).

 

 

この決済は中国企業によるクローズドネットワークの電子決済であるため,VISAやMASTERといった米国系クレジットカードやJCBのような日本のクレカと違って,情報が開示されていない(日本のクレカ決済はNTTDATAによるCAFISの独占市場であり,全国の加盟店様とクレジットカード会社,金融機関様をネットワークで結び,カードでの取引や決済は,国(金融庁)が追うことができる).

 

 

つまり,これまでの民泊宿泊では,外国人旅行者が「どこに どれくらい宿泊して いくら消費したのか?」さえ把握できなかったわけだ.だからアリペイが一部の決済データを公開しただけで大騒ぎになる.主に中国・台湾の外国人旅行者がアリペイで支払いを実施していた金額の大きさと実態を初めて知るのである(それもざっくりとしたデータしか公表していない).

 

 

日本はアメリカや中国にテクノロジーで周回遅れの状況.そして,政府や官僚がおかしな規制を実施して市場を潰す.それが日本の社会の現実だ.と,こんなところで愚痴っても便所の落書きのように不毛で何の生産性もないため,民泊新法で滅んだ日本の民泊市場について解説し考察することとしたい.

 

 

なお,データを示してひとつずつ論証することも可能であるが,政策形成過程であればその必要性は認めるものの,逝ってしまった民泊ビジネスは民泊新法の愚かさを論破しても蘇ることはないので,これは民泊へのレクイエムでありポエムである.

 

 

●民泊利用の実態調査から見えてくること

 

 

不動産業界や不動産投資家界隈では2017年末まで民泊はプチバブルであったと言っても過言ではない.それでも民泊は一般の方(自身のマンションが民泊で被害を受けていない方)にとってはほとんど無縁の存在であった.なぜならば,日本人の民泊利用者はほとんど存在しなかったためである.

 

 

→エアビー利用の2割が日本人 国内の昨年度、登録5万件突破(日経新聞)

>2016年度に米エアビーアンドビーのサービスを受けた訪日外国人は約400万人。さらに100万人近くの日本人が同社の民泊を使ったようだ。

 

 

年次(年数)を合わせるのが大変なので(学術論文ではなく論証したいわけでもないためざっくりとした数字で勘弁いただきたい)2015国内民泊市場規模は約130億円であった(→国内民泊市場規模は130億円−−−東京五輪の2020年には2,000億円に成長と予測(SPIKEデータ)).

 

 

一年で市場が3倍程度成長したとして,約400億円が民泊の市場規模であると試算できる.うち20%が日本人民泊の利用者であるという.つまり,80億円が日本人による国内民泊物件の利用額になる.「日本人の国内民泊市場:80億円」一方で,日本の宿泊業の市場規模は3.8兆円(2014年).うち日本人の国内旅行による消費額が3.3兆円であるという(→数字が語る旅行業-日本旅行業協会).「日本人の国内ホテル&旅館の宿泊市場:3.3兆円」

 

 

私のような文系人間は桁を合わせないと計算ができないので(難関大学の理系出身者か国立文系出身者以外は,数学受験していないので,ほとんど自分と同等の数学レベルだと認識している).

 

  • 3,300,000百万円(3.3兆円):国内ホテル&旅館の宿泊市場
  • 8,000百万円(80億円):日本人の国内民泊利用額

 

国内民泊における日本人の市場は,国内日本人旅行者がホテル&旅館の市場の400分の1であった.これが仮説として成り立つだろう.個人的な類推では1000分の1以下程度の市場規模であると類推しているが(高齢者もビジネス客も利用しないサービスであったため),推計されたデータを元に計算するとこのような数字になる.

 

 

この市場規模を過小評価するつもりはない.爆発的に伸びていた民泊市場は新たなビジネスとして評価すべきであったと考える.それでも,民泊はビジネス客の利用はほぼ皆無という状況であったことを考えれば(ビジネス客は決済や領収書,の点から民泊を利用することはほぼ不可能),俗にいう新しいもの好きで情報に敏感なアーリーアダプターが利用していたに過ぎないのだ.日本人の民泊利用というのはわずかであったのだ.

 

 

この事前知識とマーケット認識がない中で厚生労働省が「全国民泊実態調査の結果について」として調査結果を公表した.案の定スカスカのレポートであった.無許可営業がほとんどなので,規制をしましょうという錦の御旗としたかったのだろう.エアビーに掲載されている物件を規制しても無意味なのだ.どうしてこんな簡単なことがわからないのか?

 

 

●正規の民泊供給は激減し,民泊市場は無法地帯へ

 

 

 

新法に基づいて各自治体に出された届け出件数は、観光庁によると5月11日時点で724件であったそうだ.結果起きていることが,合法的に運用しようと考える民泊事業者の撤退,及び,民泊サイト世界一のエアビーの掲載物件の激減である.つまり,民泊新法を遵守して正々堂々と民泊ビジネスを実施する者は軒並みいなくなった.

 

 

何をどう規制してコントロールしたいのかビジョンも具体的な戦略もなく,事業者のビジネスのフローを意識していないから,正直者が損をすることになる.これから何が起きるのか? 馬鹿でもわかる.届け出をせずに許認可を得ていない外国人を対象にした違法民泊は増え続ける.決済を把握できていないのに,どうやって民泊の現場を押さえるというのだろう?

 

 

現場に居合わせるのは利用者である外国人旅行者であり,言葉がそもそも通じない.彼らは民泊サービスの利用者であり,違法性は一切ない.違法民泊を運営しているマンションオーナーは,自国民泊サイトや個人WEBサイトを活用して,予約から支払い決済までインターネット上で完結するため,民泊運営の証拠を掴みづらく,摘発が難しい.

 

 

 

違法民泊はこれからも大きな問題となり続けるだろうが,正規の民泊の供給量が大幅減となったことで起きたことはホテル価格の上昇である.ウンザリする以外の言葉が出てこない.実施すべきは違法民泊を規制することであり,状況すら把握出来ていない外国人民泊の実態を正確にして登録させることであったのに,酷い規制で旅行者皆が少しずつ損をする.酷い話だ.

 

 

●それでも民泊は必要 特区型の民泊ビジネス拡大をせよ

 

反対や批評は基本的には何の生産性もないので好きではないのだが,自分が法案制定に関われるわけでもないし,もう手遅れなので立案する気も起きないが,批判するのは馬鹿でもできるというのが弊社のポリシーであるので,民泊ビジネスの今後について提案型の考察をすることとしたい.

 

 

民泊ビジネスの規制は日本だけではなく各国で紛糾している.不動産価格が都心部しか高騰していない日本と違って,米国の主要都市や欧州の観光人気都市では,住宅価格の沸騰という問題に直面している.民泊だけが理由ではないが,平均的な国民が住めない水準まで住宅価格が高騰しつつあるのだ.

 

 

だから,皆が幸せになる規制などといったものは存在しない.権力は腐敗するし,頭の悪い人間に規制をさせてロクなことはない.それでも民泊が放置されるのは弊害が大きし,外国人宿泊客は増え続け,大事な収入源である.であればどうするのか?

 

 

民泊ビジネスを実施する事業者&マンション・住宅オーナーの実数をとにかく把握することが重要なのだ.規制を課すにせよ,課税を強化すうるにせよ,違法民泊を取り締まることが必要であるのに,まっとうにビジネスを展開していたエアビーのデータを元に規制をする無能な連中が行政を担っているのが残念である.

 

 

例えばだ.罰則だけを強化する規制も考えられた.違法民泊は日本では絶対に許せないというメッセージを発信するために,登録せずに民泊運営したら数百万円の罰金課す.簡易な手続きにしてとにかく登録せよと促し,登録した事業者の課税はおいおい考えれば良い.外国人旅行者の決済金額すら把握できていないのが実態であるので,それを報告させるだけも課税の機会はあったのだ.

 

 

聞く耳を持たない者には何を言っても無駄なので救いはどこにもないのだが,先ほども指摘した通り,アリペイとWechatが把握できずに,何を規制するのかという話だ.外国人旅行者に人気の観光名所はホテルが足りなくて,民泊需要は十分ある.特区を柔軟活用できるようにして,新民泊規制を免除させる特区活用が観光業のメリットになりえるのではないだろうか?

 

 

●コンビニ民泊.セブンイレブンとファミマが民泊チェックイン機を導入(追記)

 

 

  • 「コンビニでの民泊チェックインは来店客増でグッド.ただし民泊の将来性には疑問符」

 

コンビニで民泊を取り扱うとの報道があった.コンビニの「民泊チェックイン機を設置」や「ATM送金機能」の新サービスは,来店客を増やす仕掛けとして面白い.弊社としては民泊ビジネス自体に懐疑的(違法民泊で溢れているし,民泊規制に従えばビジネスとして成り立たない)なため,投資を回収できるかについては疑問はあるものの,可能性のあるサービスではある. 

 

→セブン‐イレブンとセブン銀行ATMで 口座不要の「現金受取サービス」スタート!

 

→セブン-イレブンに民泊チェックイン機を設置

 

→ファミマ、民泊でエアビーと提携 店舗で鍵受け渡し

 

 

●エアビーが既存予約を取り消し&返金へ!(追記)

 

 

エアビーショック拡大との日経新聞報道を見て,何を今さら?と思ったら,許認可が確認できなかった国内の民泊施設への既存の予約を,エアビーが突如取り消したとのこと.嘘でしょ? そんな経営に打撃の悪手をエアビーが選ぶはずない.日経得意の飛ばし記事だよね? と記事を追ってみたら,日経に関わらずどの報道も原典を記していない.そうだった,日本のメディアは記事の原典をエビデンスやソースとして記す文化がないのだ.酷い話だ.というわけで,エアビーのプレスリリースを確認してみた.以下リンクである.

 

 

<エアビー予約キャンセルの経緯>

 

・6月1日、国土交通省観光庁観光産業課長通知が、Airbnbを含む各住宅宿泊仲介事業者に急遽一斉に発出されました。
・この通知は、過去に観光庁からお示しいただいていた対応方針と異る内容で、Airbnbにとっても驚きでした。
・多くの訪日観光客の方々のご旅行に大きな影響がないよう、本日6月7日も含め、本通知が発出されることが判明してすぐ、観光庁と議論を重ねて参りました。
・非常に残念ではありますが、観光庁に柔軟な代案をご検討いただくことは叶いませんでした。
・許認可等の記載がないAirbnbリスティングに、6月15日(金)~19日(火)にチェックイン予定のご予約をAirbnbにてキャンセルをさせていただく運びとなりました。

 

 

<エアビー予約者への補償>

 

・予約がキャンセルされてしまった場合、満額をご返金するとともに、クーポン(予約金相当額分を保証)を進呈します。
・さらに、体験にお使いいただける100ドル(約1万1,000円)相当のクーポンもお送りいたします。
・ご返金とクーポンの発行は10日以内に完了予定です。
・ご希望の宿泊施設がAirbnbで見つからなかった場合は、日本の旅行代理店最大手であるJTB様が代替の宿泊施設確保のお手伝いをしてくださいます。

 

 

とても良いプレスリリースであると思う.そして国交省(観光庁)が利用者のことなど微塵も考えていないことがわかる.既得権益による既得権益のための政治,一ミリのブレもない.これまで記した通り,エアビーに登録されていた物件は確認できる(トレースできる)分だけまともであったのだ.

 

 

エアビーは許認可等を得られていない物件は掲載を削除する対応を取ったし,新規客の紹介はしないと明確に示した.エアビーに登録する事業者はグレーゾーンで民泊運営を実施してきたかもしれないが,宿泊予定の観光客には何の罪もない.エアビーを利用して宿泊予約しただけだ.だから,観光客(利用者)には不利益のないように着地しようとエアビーは頑張っていたのだろう.

 

 

それを観光庁は後出しじゃんけんの規制でキャンセルせよ!と指示したわけだ.監督官庁に逆らえるはずもない.ウーバーの規制もそうだが,利用者の利益を考えない規制は便益よりも害悪の方が大きく,利便性の欠如は,国益低下を助長するのではないか? JTBが漁夫の利を得ることになった経緯はよくわからないけれども,エアビーの真摯な対応に敬意を表するとともに,民泊の死,様々な可能性の消滅に哀悼の意を捧げたい.

 

 

●民泊新法の問題が露呈(追記)

 

 

自治体と仕事をしたことがある方なら同意を得られると思うが,基本的に(ほとんどの)自治体職員はサービス精神を持ち合わせていない.抽象的な意味ではなくて,仕事においyr利用者満足に関する優先順位がいちじるしく低いのだ.批判しているのではなくて,現実を述べている.

 

 

彼らのミッションは決められた仕事を,確実に間違いなく実施することであり,民泊でトラブルがあった場合に,自治体関係者が苦情の矢面に立たされるの可能性が高く,出来るだけ厳しく(時には必要以上に厳格に)対応するのは想像に難しくない.だから彼らを責めることはできない.面倒な仕事を増やされて現場の職員は迷惑していることだろう.だから,民泊申請へのトラブルが続出している.

 


 

日本の(大抵の)規制が愚かなのは,現場のワークフローや,具体的なアクションを考えずに,既得権益の意見をベースに,自分で自分でカネを稼いだことのない(ビジネスに関わったことのない)方々が机上で規制の骨子を組み立ててしまうことにある.結果,今回の民泊新法のような申請の煩わしさと,現場で対応しきれない結果に帰結する.生産性の欠片もない.

 

 

繰り返すが,民泊は無法地帯であったから,規制は必要であった.しかし,外国人旅行者数増や消費の拡大,リピーターの確保を目的とするのであれば,民泊ビジネスを適切な管理の元,成長させていくような規制が必要であったのではないか? 民泊新法に適応させようと正直に届け出を出した者さえ民泊廃業に追い込まれ,馬鹿をみる.性善説を前提として悪者を規制できない愚かな現実.結果,何が起こるのか?

 

 

違法民泊が勃興することだろう.外国人旅行者はエアビー以外の外資民泊サービスや,SNSを活用した直接のやり取りで対応し,予約者情報どころか決済情報を追うことが国も自治体もできないまま.隣家の民泊での迷惑被害は減らず,違法業者が非課税決済で稼ぎ,民泊を利用する海外旅行者は突然の予約停止のキャンセルに晒されることになる.

 

 

外国人旅行者に日本旅行を楽しんでいただき、日本を好きになってもらい,そして旅行消費で少しでもご当地が潤う未来のために,民泊新法の改正を願っている.期待するだけ損かもしれないが,以上,問題を整理して締めることとしたい.

 

 

 

●「民泊まとめ」民泊新法の施行後の現状(追記)

 




 

日本のマスコミはジャーナリズムの意欲と能力に欠け,騒ぐことが目的になっている残念な組織であり,問題提起をするわけでもなければ,権力の監視や行政の不作為を指摘することもない.日々ゴミのような情報が垂れ流されているばかりだけれども,日経新聞と東洋経済の本記事は評価したい.

 

 

詳しくは記事をご覧になっていただきたいが,民泊新法施行後の現状はこうだ.

 

①観光庁(国交省)が民泊新法を発行した.

 

②そもそも民泊は,先で述べたように無法地帯でめちゃくちゃな運営がなされていた問題に対して,主な利用者である外国人旅行者に使い勝手の良さを提供しつつ,住民に迷惑をかけずにかつ正確に数等の実態を把握するべく法規制すべきであるのに,顧客視点が欠片もなく,海外の事例に学ぶ気もない残念な人々が,既得権益からの圧力だけを気にして,ひどい民泊新法(アウトプット)を施行した.

 

③日本の合法的な民泊市場は壊滅し,違法な民泊がまかり通ったまま(結果).

 

 

生産性の欠片もない日本の良くある事例なのだけれども,どれくらい観光庁が怠慢であったのかを,赤裸々にレポートする本ルポルタージュは素晴らしい.非常に複雑な申請を民泊事業者に押し付けて,しかも現場の自治体や消防,警察とは連携がまったくとれていない.縦割りの残念な日本の行政.繰り返すが違法民泊は見えていないだけで減っていない.なぜなら把握すらできていないからだ.引き続きウォッチして報告していく.

 

 

 

米エアビーアンドビーのサイトで民泊以外の宿泊施設でも「ヤミ物件」が掲載されていることが新たに明らかになった.と朝日新聞が新たな発見があったように報道しているけれども,こんなことはわかりきったことであり,ヤミ物件の宿泊が大問題になっているにも関わらず,日本は行政もメディアも現場を少しも調べないのだろうか?

 

 

国外のシステムを使って仲介する海外事業者の場合,法律上の登録は不要とされ,サイトにヤミ物件が掲載されていても取り締まることができない.

 

 

海外のプラットフォームを利用して民泊仲介するサービスでは,登録を取り締まることができないどころか,利用のトレースもできていないのが問題だと,本稿で何度も繰り返し述べたし,何年も前から識者が指摘してきた.それをわかっていない無能な行政と,馬鹿なメディアが騒ぐだけ騒いで問題は少しも改善されない.残念な日本の社会の最前線が民泊問題が露呈されていて興味深い.