広告は確実に顧客の目に届ける.アナログ広告はその手段として魅力的である.
ネット広告(デジタル)中心ではなく、デジタルとアナログの組み合わせが効果的である.
顧客がアナログ広告を見て興味を持った後にアクションを起こせるような仕組みが必要.
アナログ広告から購買やブランドイメージの向上につなげる.
アナログ広告に興味を持った見込み顧客のデータベースを構築し、アプローチすることが重要.
新聞広告の「1部当たりの単価」は2円~22円程度.
新聞広告の「インプレッション単価(CPM)」は約2,000円~22,790円.
新聞広告は地域の高齢者をターゲットとする場合以外は費用対効果が最低クラス.
アクセス分析とWEBサイトへの誘導など,マーケティングを組み合わせれば,新聞広告の効果をアップさせることも可能
先ずは広告単価を分析する.日本でもっとも新聞広告の単価が高いだろう「日経新聞」をベースに計算しよう.
※参考:日経メディアデータ
全面広告:40,530,000円 ÷ 発行部数:2,600,000部 = 15.58円/部
→インプレッション単価(CPM):15,580円
と算出できる.インプレッション単価(CPM)は15,580円ということになる.これでも随分高額な単価であるが,実態に合わせた数字に計算し直そう.つまり新聞の実売部数が90%,新聞閲読率が76%という数字を当てはめてみる.
※参考:毎日新聞社発表の新聞閲読率
全面広告:40,530,000円 ÷ 1,778,400部(2,600,000×0.9×0.76)= 22.79円/部
→インプレッション単価(CPM):22,790円
となる.ちなみにこれは性善説に立った大変良心的な数字であるとお断りしておきたい.日経新聞だからこそ信頼性がおけるが,他の新聞の全国紙の実態は,実売部数が80%,閲読率は60%も期待できないだろう.弊社はエビデンスとフェアな分析を信条としているので,某新聞のように推測で断定することはしないが,広告主は厳しい目で広告効果を測定すべきだろう.
全国紙の一面広告は採算度外視でブランドイメージ向上を狙う大手企業くらいしか実施しないので,次に身近な地方新聞をベースに計算しよう.ある地方新聞を例に算出する.
1面記事下広告(3段)870,000円 ÷ 発行部数450,000部 = 1.99円/部
→インプレッション単価(CPM):1,990円
検討に値する常識的な金額となる.このインプレッション単価をベースに新聞社は営業根拠としているが,これは新聞社や広告代理店がPRしている数字であり,実際の数値は半値八掛けであることを意識するべきだろう.こんな小学生でもできるような計算を示してドヤ顔するつもりは毛頭ない.ここからが「新聞広告の効果」に関する考察である.
・新聞広告は高齢者を狙うのであれば効果が望めるが,基本的には費用対効果が著しく悪い.
・新聞広告のメリット:目的の地域に幅広く確実に情報を届けることが可能である.
・新聞広告のデメリット:再読率はほぼゼロ.発行日翌日に広告価値を失う.インプレッション単価が割高.
あなたは新聞を読むか? あなたの周りの人間は新聞んでいるか? まず問いたい.「高齢者しか新聞は読まない.若者は新聞を読まない」これがファクトとしてある.そして私見をここに加えると,高学歴・高収入層は日経新聞を読んでいる場合が多い.この現実を前提条件として認識することが効果的な新聞広告への一歩である.
※参考:平成29年版情報通信白書 主なメディアの利用時間と行為者率
ググればエビデンスはたくさん出てくるので,この結論を疑問に感じる方は調べて貰えば良いし,新聞広告の価値が高いと考えるならば出稿していただければ良い.弊社と本サイトは出来るだけ費用対効果,つまりコストパフォーマンスの高い広告を追及することが目的であるから,異論,反論は否定しない.ただし議論するつもりはない(間違いがあれば正すので数字に間違いがあればご連絡いただきたい).
新聞広告の効果についての考察に戻ろう.新聞は年配世代の男性が主な購読者層であり,新聞の折り込み広告を読むのは年配女性である.だから,御社が宣伝をしたい商品・サービスのターゲットが,高齢男性であれば新聞広告は一つの選択としてありえるし,折り込み広告は高齢女性向けを意識するべきだろう.
高齢者が多いので,流入元(参照元)の測定として個別URLやQRコードを掲載してもアクセス測定を実施することは困難であるが,それでも最低限の効果測定項目として記載しておくべきだろう.もっとも効果的なのは「クーポン・特典」を掲載することである.認知度向上のためのブランド広告以外は,新聞広告やチラシに「新聞広告を見た」「新聞広告(切抜)を持参」の方にお得なサービスを提供するとの記載は不可欠である.問い合わせ先が電話番号であれば,その広告のみのオリジナルの電話番号を取得する.メールであれば特典番号やキーワードを設定する.最低限これくらいの広告効果の最大化とアクセス解析を実施しよう.
スマホを持つ高齢者も増えつつあるため,アクセスURLを設定して「詳細はWEBへ」との誘導を図ることも忘れてはならない.大きな文字や画像の見やすいレイアウトが必須であることは言うまでもないだろう.いずれにしても,新聞広告はCPC等の指標で測るとかなり割高な広告媒体になるので,おすすめしない(※新聞広告の効果には否定的だが,新聞代理店は活用の余地が大きいことは別途述べる.)
以上,新聞広告の費用対効果は厳しいとの結論は変わらないが,クーポンとアクセス解析でその効果を高めることはできるので,実施する場合は弊社に相談していただきたい.
折込広告・折込チラシの「1部当たりの単価」は3円~10円程度.
折込広告・折込チラシの「制作料金」は15万円から(B4両面カラー10万部印刷時.別途デザイン料:5万円程度~).
折込広告・折込チラシの「インプレッション単価(CPM)」は約4,500円~15,000円程度.
折込広告・折込チラシの視認率(接触率)は発行部数の10%~60%程度.
折込広告・折込チラシは地域の高齢女性をターゲットとするのであれば安くて便利な媒体.
折込広告・折込チラシはチラシを見た潜在顧客へのアクションに繋げる広告になっていなければ価値が低い.反響率を高めるチラシにすることが肝要.
宣伝を実施するにあたり「折込広告・折込チラシ」はもっとも身近な広告手段の一つである.その最大の特徴は,指定エリアの新聞購読者に確実にチラシが届くことである.だから地域の商店,スーパーマーケットを筆頭に簡単で安い広告として新聞折り込み広告が選ばれている.新聞代理店へ町単位での配布オーダーが可能であるため,例えば○○市○○町の1万人に折り込みをしたいといった要望も叶えてくれる.1万部であれば5万円程度から宣伝が実施可能となる実にリーズナブルな広告媒体である.
だがしかし,そのチラシの到達率と接触率を測っている企業はほとんどないのではないか.そもそも計算をする能力に欠ける中小企業が主な広告主となっているので,広告効果の測定という発想がないケースも多々ある.ここで紹介しておこう.
前提条件として新聞折込みは新聞購読者にしか届かない.つまりチラシが到達するのは基本的には新聞広告世帯だけである.そしてもう一つの傾向として,折込チラシを見るのは女性が中心となる.つまり,女性高齢者をターゲットとする広告チラシでなければそもそも折り込みをしてもあまり効果はない.なぜなら若者や働き盛りの世代は新聞をそもそも購読していないからである.新聞未購読者には届かない.これを理解していない広告主が多い.
そして,新聞折込みの問題点として「低視認率」がある.他チラシに紛れやすいため,折込チラシへの接触率は30%程度と想定すべきだろう.閲覧率が80%以上というデータを示す報告書もあるが都合の良いデータを収集したのだろう.新聞チラシを見るのか想像してみれば良い.誰が新聞チラシを毎日細かくチェックするだろう? 広告代理店や新聞販売店に限った話ではないが,都合の良いデータを示されて疑うことなく信じる情報弱者はカモとなる危機意識を持つべきだ.
それでも新聞折込チラシがアナログ広告の媒体として,もっとも安価な宣伝手段であることには変わりはない.数を撃てば当たるのも事実である.だから企業が折込広告を選択する際には,その反響率を最大化させるようなチラシにすべきであるし,広告を見て次のアクションを起こして貰わなければ意味がない.そのためにはどうするか?
一つにはチラシを見た人に特典を与えること.飲食店であればチラシを持参の方に何かサービスを実施する.スーパーマーケットであれば割引を実施する(そもそもスーパーマーケットが新聞折込をして費用対効果が出ると考えている時点で疑問はあるが).何かしらのクーポンを提示することで,チラシに接触した人がアクションを起こす確率が上がる.
そして,WEBサイトへのアクセスに繋げる.新聞折込を実施するほとんどの企業はITリテラシーが十分でない場合が多いため,チラシにホームページのURLを記載したり「○○で検索」と記す程度.少し気の利いた企業でもQRコードを掲載している程度にとどまっている.そのチラシに掲載したQRコードにアクセスした人を測定しているだろうか? そもそもQRコードのアクセス先が自社WEBサイトになっていないか? GoogleがキャンペーンパラメータやURL生成ツールを提供しているにも関わらず,まったく使いこなせていない.チラシを配布してそれで終わりになっている.
Googleのサービスを活用することで,折込チラシからのアクションを計測する,つまり流入経路を測定することで新聞チラシは大きな効果を発揮する.アナログ広告はデジタルデータを活用すれば,その広告効果を拡大することが出来る.弊社は折込チラシという旧態依然のアナログ広告に,最新のアドテクノロジーを付加することで,アクセス解析データを提示し,広告効果をアップさせることが可能である.配って終わりの生産性の欠片のない広告から一歩進めたい企業は問い合わせいただきたい.
雑誌広告の「1部当たりの単価」は8円~30円程度.
雑誌広告の「インプレッション単価(CPM)」は8,000円程度~30,000円程度.
雑誌広告は発行部数を鵜呑みにせず販売部数を考慮すべき.
雑誌広告の費用対効果は悪いが,ターゲティング力は強いため,大幅な値引き交渉が実施できれば利用価値あり.
雑誌広告の最大のメリットは明確なターゲティング力.雑誌広告から自社顧客に繋げる仕組みが重要.
雑誌広告を検討する余地はあるか? 費用対効果の観点から「ほぼありえない」と述べたい.発行部数を元に広告接触率を計測するとコストパフォーマンスが悪いのだ.出版社はあれだけのコンテンツ作成力を持ちながら,コンテンツをカネに変えることを目指さなかった実に残念な業界である.
広告に関しては,団塊世代の人間を中心に思い込みと数少ない成功体験にすがり,エビデンスやデータを示しても理解していただけないケースが多々あるが,説得力のある材料を提示することで雑誌広告について考察することとしたい.先ず,某東海エリアのグルメやショッピング,イベント等の情報を掲載している老舗の情報誌を根拠に簡単に分析しよう.
4色1P:500,000円 ÷ 発行部数57,250部 = 8.73円/部
→インプレッション単価(CPM):8,730円
と算出できる.ただし,出版社の発表する発行部数をそのまま信用するのは,あまりにも無知というものだろう.実際の発行部数が80%であればインプレッション単価は1万円を超える.そして,御社が出稿した広告ページが購読者の目に触れる確率はもっと低い.希望的観測で販売部数の5割の読者が広告を目にすると期待しても,インプレッション単価が2万円を超える.雑誌広告のコストパフォーマンスがどれだけ悪いのか理解いただけるのではないだろうか?
一つの雑誌を元にしてすべてを語るのはフェアであはないため,他の事例も紹介しよう.20代のOLを中心としたファッションとライフスタイル総合誌を分析してみる.
4色1P:2,400,000円 ÷ 発行部数161,250部 = 14.88円/部
→インプレッション単価(CPM):14,883円
雑誌の実際の販売部数や接触率を言及するのも馬鹿らしいくらいのインプレッション単価である.では雑誌広告は選択に値しない広告なのか? 答えはNOである.説明したように雑誌広告のインプレッションあたりの費用対効果は確かに良くない.インターネット広告と比べると桁が1つどころか2つ違う.それでも雑誌広告には圧倒的なターゲティング力とユーザロイヤルティがあるのだ.
・雑誌広告はターゲット購読者に完全にマッチングさせるPRとすべき.
・潜在顧客のレスポンスとアクションに繋げる雑誌広告を制作しよう.
検索すればいくらでも欲しい情報が手に入る現代(酷い情報で検索結果が汚染されているにせよ),わざわざ雑誌を購入して情報を得ている人は,その領域において大きな興味・関心を持つ顧客であることは間違いない.女性ファッション誌は年齢でカテゴライズされているし,旅行雑誌も目的地や収入階層がはっきりと区分けされている.
雑誌広告は読者とターゲットが明確であるため,そこにピンポイントで魅力的なPRをすることができれば,レスポンスを高めることが可能であるのだ.つまり,広告効果を高めるマーケティング力が問われる広告媒体であると言えるだろう.差しさわりのない広告を制作するなら他のマス広告媒体を選択すれば良い.
大勢ではなく,読者の個をより意識したPRをする.デザインだけ凝って読者が次のアクションに繋げられない雑誌広告は,はっきり言って価値がない.雑誌広告に限らずすべてのアナログ広告に言えることであるが,将来有望な潜在顧客のデータを繋げて問い合わせやレコメンドに発展させる仕組みを雑誌広告に埋め込むこと.弊社はそのノウハウと分析能力を備えているので,是非問い合わせいただきたい.
※なお,雑誌広告業界に好意的な調査であると前置きすれば,→雑誌広告効果測定調査 は興味深く参考になる資料であるのでご覧になっていただければと思う.