★「漫画村」から「漫画タウン」悪貨が良貨を駆逐するビジネスと既得権益を否定し,作者が稼いで読者が得する新たなコンテンツビジネスの提案★

漫画村から漫画タウン

 

「漫画村が漫画タウンへ.悪貨が良貨を駆逐する非情な現実」 「漫画家にとって味方の出版社が無能で,敵であるリーチサイト運営者(無法者)が有能という悪夢のような現実」 「読者(消費者)が求めるのは漫画コンテンツへの利便性.電子データのユーザインタフェースを工夫すべき」 「コミック販売で作者に10%しか印税が入らない仕組みの闇.出版社に存在意義はあるのか?」「漫画村運営者の圧倒的なスピード感から我々は学ぶべきではないか?」

 

 

「漫画村が漫画タウンとして復活」「村から町に成長」

 

この近年見た中でもっとも秀逸なキャッチコピーだと思う.漫画村の是非や違法性がどうこうの議論は別にして,このフレーズは凄い.端的でわかりやすいメッセージに,ガソリンをまき散らし自ら火をつけるという煽り.広告に携わる人間の一人として唸る他ない.そしてサイトブロッキングに迅速に対応するこのスピード感.この無法者が有能であるのは間違いないだろう.

 

 

漫画村の利用者には歓喜で迎えられ,漫画家や出版社をはじめとした漫画村を廃止したい者には悪夢のようであり,規制を実施した者は無能さとバツの悪さをさらしてしまった.漫画村を一切肯定するつもりはないし,著作権侵害の罪には罰を下すべきだ.おそらくこの漫画タウンのサイトも間もなくクローズされるだろう.

 

だが,リーチサイトを規制したところで,違法アップロードを規制するなり,潰すなりしなければ意味がないことは少し知恵を働かせればわかりそうなもので,今回の海賊版サイトブロッキングは愚策であると思う.この辺の経緯や問題点は賢い人がとてもわかりやすくまとめているので,以下のリンクをご覧になっていただければと思う.

 


誰がどのようにして、遮断すべきサイトを決めるのか、何ら判断基準や法的裏付けもなく政府が特定サイトのアクセスを遮断する例は、少なくとも先進国では見られない。
~中略~
被害額などは推定アクセス数に正規価格を掛け合わせた非現実的な数字しか話題にのぼっていない。

 

一方でサイトブロッキングの闇が深いのは,政府や出版社が定量的なデータや根拠を示していないことであり,まともなデータがあれば議論の下地くらいにはなりそうだけれども,彼らは統計データ分析どころか,データ収集や算数ができないレベルなのではないか?との疑いがある.

 

 

漫画村への月間アクセス数が1.6億万人とか,UUとPVの違いもわかっていないのではないか?(そんな訪問者数あったらサーバ維持費も莫大だな…).最低限の想像力があれば,十万人単位~もしかしたら数百万人単位が漫画村にアクセスを実施していて,PVが凄いのはユニークユーザよりもリピーターのアクセスだろう.というザックリとした予想はできる.

 

そして,講談社の声明は「出版界ではコミックに限ってもこれまでに数兆円規模の被害を受けたと試算」とどんな試算したんだ?と総ツッコミを浴びるレベル.2016年のコミック市場全体の販売金額が4,454億円であるのに,どう積算したら数兆円になるのだろう? 出版社が自ら無能具合を発信するのもいかがなものかと思う.

 

「無能な味方は有能な敵より恐ろしい」から漫画作者の方は本当に気の毒だと思う.正確な現状分析を実施できない人間が,どうしてまっとうな政策を実施することができるだろう? これは日本社会の闇でもあり,検索結果の上位がゴミのような情報で溢れているので,だれもまともな情報にたどり着けないという絶望的な現実もある.一方で文化庁から非常に優れた調査報告書も出ている.

 

 

文化庁ではまともなデータ集計や分析が実施されているのに,おそらく縦割り行政の弊害や省庁間の力関係の問題で,まっとうな意見は共有されるでもなく,テクノロジーへの理解もなければ知識の欠片もないような方々が,違法アップロードを潰せと騒いでいるとしたら本当に恐ろしいことだと思う.

 

実施するなら,違法コンテンツアップロードの厳罰化と徹底的な取り締まりであるし,違法コンテンツへのリーチサイトや,まとめサイトへ罰則を課すことだろうが,そんな法律は日本において成立させられそうもないし,中国がやっているようなネット検閲をするのか? 違法コンテンツをアップロードする輩を全滅させられるか? という話になる.だからこの規制の話は難しい.

 

ではいったいどうするのか? 一つにはリーチサイト運営が稼げないようにするという対策が考えられる.違法コンテンツに限らず,リーチサイトへ広告を出向する事業者を叩くという手だ.広告主を叩けば良い.どうやって? いろんな方法があるけれども,経済制裁を企業レベルに落とし込んでやれば良い.アメリカがイランにやっていたような制裁や,組織犯罪グループやそのメンバーの資産の凍結するあれね.広告サイトなりリーチサイトを特定して口座を叩く.

 

ついでにまとめサイトすべてに制裁下してくれても良い(ぼそっ).リーチサイトやまとめサイトが糞であることは認めるものの,今回のサイトブロッキングはひどい施策だと思う.「通信の秘密や通信の自由を侵害し,検閲にも該当しうる重大な措置で,法的に大きな問題がある」との指摘の通りだ.通信の自由を侵害するような馬鹿なマネはやめて,犯罪者を叩けば良い.

 

法律の話やテクニカルな話は頭が良い人や専門家の方に適切な提案をしていただくとして,私が思うのは誰を保護し尊重するべきか?という話だ,漫画タウンの運営者が発信している通り,漫画サイトを潰したところで漫画の売り上げは増えないだろう.無料で利用することを知った消費者が金を払って漫画を買うとは残念ながら思えない.無料に慣れた連中は乞食化するからだ.

 

 

電子書籍のメリット

 

 

日本は本当に既得権益が強すぎて,本来であれば守るべき尊重すべきは個人であるのに,既得権益事業者を保護するという馬鹿な施策ばかりがまかり通る.この最たる悪しき事例がタクシーにある.ウーバーを筆頭に世界で爆発的に普及している配車サービスを「自家用車による運送サービスは白タク行為に当たる」として規制して,中国系を中心とする白タクサービスにごっそり客を取られ,タクシー運転手は一銭の得にもならず,売り上げすら補足できず(wechatやアリペイのような海外のクローズドサービス利用で追えない),課金が把握できないから課税することもできない.

 

白タクを解禁すればタクシーの運転手はもっと稼げるようになる.以前簡単にシミュレーションしたけけれども,その可能性は高い.白タクに保険を義務付けることでリスクも担保できる(安全性の担保.安心を求める馬鹿ばかり).白タク利用者は安い料金で得をして,タクシー運ちゃんの収入も上がる.そんなことはありえるか? とあなたは問うかもしれない.

 

うん,ありえる.GoogleやAmazonのサービスを無料だったり安く利用しているでしょ? ではいったい誰が損するのか? タクシー事業者ですよ.タクシー会社はその存在価値を失う.ユーザーがいて,サプライヤーがいて,そこが格安で便利にマッチングされれば,仲介事業者なんていらないでしょ? 守るべきは安く移動したいという消費者の利便性であり,タクシー運転手というサービス提供主の利益だと声を大にしていいたいのだが,この存在価値のない仲介事業者である既得権益を守ろうとするのが日本のお家芸だ.

 

ややタクシー事業者のバッシングになってしまったけれども,一番わかりやすい例えがこのケースであったので事例として出した.漫画村の違法コンテンツアップロードとリーチサイトの稼ぎという問題は,誰の利益を追求すべきか?という根本的な問題を投げかけている.

 

第一に守るべきは漫画家である.コンテンツの制作元だ.漫画がないところに読者も生まれない.漫画家がマンガを描くことで収入が得られない(稼げない)リスクが増えたということが根本的な問題であり,いかに漫画家を尊重し彼らの稼ぎを増やすべきか?というのを考えねばならない.そうしなければ漫画が滅んでしまう.CDが売れなくなって邦楽市場が崩壊したようなことは決して起こしてはならない.

 

厳しい話をすれば,出版社なんていらないのではないか? マンガ読者は作品に課金しているのである.21世紀以前の雑誌と文庫のビジネスであれば,週刊誌や月刊誌などの雑誌に掲載をして,それで知名度を高めてコミックとして紙媒体を出版し,それを売買するというビジネスモデルが成り立った.出版社にも存在意義はあったし,出版取次にも役割はあっただろう.

 

だが電子書籍がその世界を変えた.電子ブック,デジタル書籍,デジタルブック,Eブック,オンライン書籍とどのように形容したってかまわないが,Amazon Kindleを筆頭に圧倒的に便利なサービスが登場した以上,出版社の役割は死んだのである.紙媒体が死んだのではなく出版社の役割が死んだのだ.求められる役割は編集と校正という機能だけであり,○○社から出版する必要性は微塵もない.

 

 

本屋の可能性

 

 

私は瀕死の本屋にはビジネスチャンスがあると考えていて,印刷会社と組んで紙での自費出版のビジネスに乗り出せばよい.編集と構成の機能を持ち,自分たちで作者を開拓する.売り場を持っている本屋が本来であれば強くあるべきで,出版社なんて中抜きしてしまえば良い.漫画の印税が10%程度であるという.ブラックジャックの作者の佐藤秀峰氏や,東京大学物語の江川達也氏が赤裸々に語っているので概ね正しい数字なのだろう.

 

「テルマエ・ロマエ」の原作者ヤマザキマリ氏が「映画の原作使用料は約100万円」と告白した記事が以前話題になったが,出版社や放送局の力が強すぎて,作者を搾取している現実がある.アニメ制作に関わるものの待遇の悪さなど,ひどい話は枚挙にいとまがない.

 

500円の単行本コミックが売れても作者には10%しか入らない.出版社や印刷会社,書店などステークフォルダーが多いのでこれを一概に否定するつもりはないけれども,馬鹿げた配分比率であると思う.コンテンツの創造主に売り上げの10%しか収入が入らない.この仕組みがそもそも異常である.日本はシステム(仕組み)の制度設計が腐ったまま,運用やマネジメントでなんとかしようという,骨折に絆創膏を貼るみたいなことがよくあるけれども,ここにメスを入れるべきだろう.

 

kindle出版の印税は70%に設定できる.これでもAmazonの取り分が大きいと考えるが,コミックの値段を5分の1の100円にして,出版社を中抜きにすれば,作者の取り分は50円から70円に増加する.差額の20円分は編集者や校正スタッフの手数料とすればどうか? もし出版社を中抜きすることで売り上げが5分の1になったとしても,作者の利益は変わらない.

 

消費者は5分の1の価格で漫画を読むことができて得をする.5分の1の価格であれば,消費者は増えるのではないだろうか?出版社を中抜きすることで売り上げが5分の1になってしまうのか,10分の1になってしまうのか,それとも維持できるのかはマーケティングの戦略次第であると思うが,スマホゲームに課金する人々がこれだけいるのだから,電子書籍活用による電子コミック課金の可能性は悲観するほどではないのでは?と思っている.

 

ここまでが,既得権益の出版社は滅びても消費者は困らないから,漫画家を尊重する仕組みが必要では? という既存のビジネスモデルがもう成立しないという話.ここからは新たなビジネスモデルの提案の話に移りたい.私はマンガは広告モデルが成り立つと思っている.電子書籍で無料なり格安でばら撒いて,広告のインプレッションやクリックから収益を得るという広告ビジネスだ.

 

どのように漫画を広告型ビジネスモデルにするか? 漫画家が儲かって,読者が安く読めるビジネスはできると考える.と熱く綴ったのだが,こんなところで愚痴っても微々たる広告収入にしかならないので,提案書を作成してどこかに持ち込むこととしたい.後日公開する.