★「フライトオブドリームズ」セントレア×ボーイング787のコラボ施設体験レポート&ビジネス分析★

B787(フライト・オブ・ドリームズ)

 

◆「フライト・オブ・ドリームズはボーイング787実機(ドリームライナー)を間近で見学&触れることができるユニークかつ至極の商業施設」 「フライト・オブ・ドリームズのB787×プロジェクションマッピングは無料イベントとしては最上級」 「FLIGHT OF DREAMSは魅力的な施設だが収益見通しは厳しいだろう」「無料エリアは素晴らしいが有料エリアのコンテンツが残念」◆

 

ボーイング787

 

中部国際空港セントレアに2018年10月12日にオープンする複合商業施設「Flight of Dreams(フライト・オブ・ドリームズ)」の内覧会に参加する機会があったためレポートします.無料エリアから「ボーイング787型機」を間近で見学することができて,B787と空間を活用したプロジェクションマッピング(映像と音のショー)を無料で観覧することができる素晴らしい施設です.無料エリアのおすすめ度は100%.セントレアに行く機会があれば必ず寄るべきですし,わざわざ行く価値のある施設であるとオススメします.

 

 

一言で感想を表すとラスベガスの「ベラッジオ」の噴水ショーのよう.素敵なショーを無料で体験できて楽しいです.一方で無料エリアが充実している分,入場料を払って有料エリアを利用するインセンティブに乏しく,ビジネスとしてはかなり厳しい運営となるのでは? と予想しています.端的に言えばハードウェアは素晴らしいけれども,キャッシュを稼ぐ仕組みに難があり,客は多いけれども課金されない(ペイできない)施設になる恐れがあります.1時間少々の短い滞在でしたが,問題点が散見されましたので,勝手にコンサルティングしたいと思います.

 


 

1.「フライト・オブ・ドリームズ」の魅力と楽しみ方 レポート&感想(利用者向け情報)

 

 

 

●フライト・オブ・ドリームズへのアクセス

 

中部国際空港駅から改札を出て左に進み,立体駐車場通路を向かって右に500メートル程度進んだ突き当りが「Flight of Dreams(フライト・オブ・ドリームス)」です.徒歩約5分.歩く歩道がありますが,幅が2人程度のため,急ぐ方は事故防止のためにも歩く歩道は避けていただくのが良いでしょう.看板(広告)が設置されていないのは不親切です(オープン前時点).

 

フライト・オブ・ドリームズへのアクセス

 

 

●「FLIGHT OF DREAMS」(フライト・オブ・ドリームズ)の施設概要&営業時間

  • 有料エリア入場料:大人(中学生以上)1,200 円 / 子ども(3 歳~小学 6 年生)800 円
  • 有料エリア(FLIGHT PARK)営業時間:10:00〜17:00(最終入場 16:30) ※土曜日のみ 10:00〜19:00(最終⼊場 18:30)
  • 無料エリア(シアトルテラス)営業時間:飲食店 10:00〜22:00,物販店 10:00〜18:00
フライト・オブ・ドリームズ入口

 

 

●フライト・オブ・ドリームズの無料エリア:「ボーイング787型機」と「プロジェクションマッピング」が観覧できる!

 

施設には飲食や物販などの16店舗が入居しています.無料エリアから「ボーイング787型機」を間近で見学することができて,プロジェクションマッピングも楽しめます.後述しますが,以下の2つが無料エリアで体験できるため,有料エリアに入る価値は残念ながら大してありません(シミュレーターだけは別格).

  • 「ボーイング787型機」を目の前で眺めることができる.飲食店エリアから近づける.
  • ボーイング787と展示会場全体を活用したプロジェクションマッピングが閲覧可能.
  • 「プロジェクションマッピング」の上映時間は毎時15分&45分.←これ重要です.

 

 

●フライト・オブ・ドリームズのショップ&レストラン:

 

 

 

●フライト・オブ・ドリームズの有料の展示エリア:「体験型コンテンツ9種類」が体験できる!

  • ①「Fly with 787 Dreamliner / フライ ウィズ 787 ドリームライナー」
  • ②「Boeing Factory / ボーイングファクトリー」
  • ③「Paper Plane Music Field / 奏でる!紙ヒコーキ場」
  • ④「Sketch Airplane / お絵かきヒコーキ」
  • ⑤「Airline Studio / エアラインスタジオ」
  • ⑥「ZA001 Flight Deck / ZA001コックピット」
  • ⑦「787 Dreamliner Explorer / 歩いて集める飛行機図鑑」
  • ⑧「The Museum of Flight Learning Center / シアトル航空博物館ワークショップ」
  • ⑨「B787 Simulator / B787シミュレーター」
B787プロジェクションマッピング

FLIGHT OF DREAMS
FLIGHT OF DREAMS
FLIGHT OF DREAMS

 

●フライト・オブ・ドリームズ「B787 Simulator / B787シミュレーター」

 

「フライト・オブ・ドリームズ」にはボーイング787型機のコックピットをリアルに再現したシミュレーターがあります.インストラクターの指導でボーイング787型機の本格的な操縦が体験できる唯一無二のコンテンツ.しかし「787シミュレーター」は「別料金&事前予約制」で運営も別会社になっています.一部の時間帯で入場料のみで体験可能な抽選枠もあるようですが,基本的には別予約&別料金&予約必須である点にご注意ください.

 

→「787シミュレーター」ラグジュアリーフライトWEBページ

 

「B787 Simulator / B787シミュレーター」

 

 

以上,量産されたサイトで無駄な時間を過ごすことのないように,付加価値は大してないけれども「セントレア×ボーイング787」がコラボした「フライト・オブ・ドリームズ」の訪問前に参考になるだろう情報をまとめました.感想としては,入場料の1,200円を払って得られるベネフィットは少なく,無料のB787の展示とプロジェクションマッピングだけで十分楽しめます.※B787シミュレーターは別格で凄いですが,完全に別サービスですのでご注意ください.以下料金.

 

B787シミュレーター料金

 

 

2.「フライト・オブ・ドリームズ」ビジネス考察(テーマパーク型 or テナント運営型 分析レポート)

 

 

ここまで述べてきたように「Flight of Dreams(フライト・オブ・ドリームズ)」が非常に魅力的な施設であることは間違いありません.ボーイング787に目の前まで近づけてチームラボの「プロジェクションマッピング」を「無料で楽しめる」コンテンツは他に類を見ない.セントレア発着で旅行する方は是非行った方が良いとオススメします.このために訪れる価値のある施設でもあります.

 

 

しかしながら,無料でこれだけ楽しめてしまうと,入場料1,200円を支払って有料体験を利用するか? という点に疑問が生まれます.人がお金を払うのはその対象に支払価値があると考えるからです.「フライト・オブ・ドリームズ」の運営の難しさは無料で素晴らしいコンテンツを提供してしまっている点,及び,有料コンテンツが実にお粗末である点にあります.

 

 

というのも,B787の展示と全体のプロジェクションマッピング以外は,コストを抑えて丸投げをしたことがありありと伝わってきて,

はっきり言って残念なコンテンツになっているからです.箱だけ立派にしてコンテンツがしょぼい.ハードは上等でソフトが稚拙.日本のお家芸ですね.抽象的に表現するのは愚かですので,一つずつ問題点を指摘したいと思います.まずはミクロの観点からの考察.

 


 

●有料の展示エリア(FLIGHT PARK)の体験型コンテンツ9種類の内,B787シミュレーター以外に魅力がない

 

 

結論はこの一言に尽きますが,丁寧に指摘しましょう.

 

  • ①「Fly with 787 Dreamliner / フライ ウィズ 787 ドリームライナー」

4階の観覧エリアからB787とプロジェクションマッピングが見らるだけの付加価値しかない.無料エリアから観覧するのと差異はほとんどなく,利用する気が起きにくい.

 

  • ②「Boeing Factory / ボーイングファクトリー」

ボーイングの航空機組立工場にいるかのような体験ができると謳っていますが,ただのプロジェクションマッピングで拍子抜けです.手を抜き過ぎ.製造工程を映像化するなり,工作機械のデモを実施するなり,もう少し頑張っていただきたい.

 

  • ③「Paper Plane Music Field / 奏でる!紙ヒコーキ場」

紙に手書きした飛行機をスキャンして,光と霧の空間に飛ばすと空間内の空中を立体的に飛び回るコンテンツ.紙飛行機を折ってプロジェクションマッピング空間に投げるだけ.紙飛行機を飛ばすのは一瞬.もう一工夫欲しい.

 

  • ④「Sketch Airplane / お絵かきヒコーキ」

紙に描いた飛行機をスキャンして,ドーム空間内の空中を立体的に飛び回る様子を体験するコンテンツ.一つ一つのスキャンしてタブレットを渡すという,オペレーションが少しも考えられていない運用であり,たったこれだけ?とガッカリ感は拭えない.

 

  • ⑤「Airline Studio / エアラインスタジオ」

はっきり言えば制服を着て写真をとるだけのコンテンツ.手抜き感が半端ない.

 

  • ⑥「ZA001 Flight Deck / ZA001コックピット」

ボーイング787のコックピットを実際に見学することができる.B787のコクピット部分だけである点が大いに疑問.胴体部分は見られないのは中途半端.見た目のインパクトから一番人気のコンテンツとなるでしょうが,入場人数は約7人を想定しているとのこと.入口と出口が一緒で,オペレーションはどうするつもりでしょうか? 理解に苦しみます.

 

  • ⑦「787 Dreamliner Explorer / 歩いて集める飛行機図鑑」

スマホのアプリでポチポチするだけのコンテンツ.しょぼくて言葉になりません.暗い空間でスマホ見ながら客を歩かせるのでしょうか? 

 

  • ⑧「The Museum of Flight Learning Center / シアトル航空博物館ワークショップ」

これは未体験のため言及しませんが「シアトル航空博物館」のSTEM教育プログラムを体験できるワークショップ.小さな教室で講義&図画工作をするイベントのようです.

 

 

以上,ミクロの観点からの問題は,オペレーションの工夫がまったく見られない点にあります.ディズニーランドやUSJを例に出すまでもなく,サービス提供の現場では,出来るだけ丁寧に,多くの人にサービスを効率的に提供できるか? が重要な要素であるにも関わらず,手間暇かけて残念な体験を提供している.スタッフはおそらくアルバイトの方でしょうが,多数の客に対処する運用を想定しているとはとても思えない運営ですので,大変な事態になるでしょう.

 

B787プロジェクションマッピング

 

 

●「フライト・オブ・ドリームズ」の競争力について

 

 

現場の運営力や改善力を期待するような設計をすること自体が馬鹿だと考えており,現場で工夫できることは多くあるでしょうが,そういうチマチマした対策は好きではありません.

 

 

設計と仕様が糞だと運用に苦労する.これが全てです.ニーズのない&競争力のない商品やサービスを開発して,それを根性で売ってこいというのが日本企業のよく見られる光景で,営業力改善や生産性改善という小手先の対策が日本全国で打たれていますが,ウンザリします.

 

 

Google検索,DROPBOX,AMAZON,microsoft,宣伝も営業もしなくても,良いものだから利用するし購入する.B向けやC向けに限らず,良いモノは広告も営業もしなくても売れる.もちろん営業や広告をしなければ売れない商品もありますが,そこに依存してはならない.

 

 

日本には広告費用とマーケティング費用が過大&根性営業の企業が多すぎる.それで釣れる企業や消費者のレベルが低いとも言えますが,根本的な問題を解決せずに目先の対症療法を解決しようとしても効果は限られる.

 

 

というわけで「フライト・オブ・ドリームズ」は完成してオープンを控えて手遅れな感はありますが,問題点を指摘するのは馬鹿でもできる(問題整理ができない企業もいっぱいいるけれども)ので,マクロの観点からの「フライト・オブ・ドリームズ」の収益増に向けた施策を考察します.

 

 

●どこで稼ぐのか?(課金するのか)問題 → 現状「フライト・オブ・ドリームズ」はテナント貸&利用料

 

 

これはビジネスの根幹に関わる部分なので,精緻なシミュレーションをしなければ安易なことは言えませんが,不動産屋としてテナント料収入で稼ぐのか,それとも施設利用料でユーザ課金するか,すべてのテーマパークや有料課金型施設に考えて貰いたい点です.

 

 

現状「フライト・オブ・ドリームズ」は飲食店&物販のテナント料を徴収して,コンテンツ利用者の入場料収入を得るという2つの収益を基盤にしています.施設自体への入場料は徴収せずに,コンテンツにのみ課金.施設の入居事業者から家賃を徴収する.よくあるビジネスモデルですが,このビジネスは2つの前提が成り立たないと円滑に機能しません.

 

  • テナント部分:「①施設そのものに集客力がありできるだけ他と隔絶されていること」
  • コンテンツ部分:「②お金を払ってでも利用したいと思わせるコンテンツがあること」

 

この2つがあればあるほど望ましい.「フライト・オブ・ドリームズ」は両方の点が欠落しているため稼ぐ施設とはなり難いと考えます.まず「①施設そのものに集客力がありできるだけ他と断絶されていること」について考察します.

 

 

テナント部分について,集客力と他の施設と隔絶というのは両輪です.集客力と競合店がいないことは別.これをわかっていない企業が実に多い.「フライト・オブ・ドリームズ」は集客力の観点からは非常に強い事業です.中部国際空港セントレアに直結で徒歩5分と非常に近く,セントレア利用者が潜在顧客になります.つまりセントレアの航空旅客数:約1,150万人がターゲットとして既にある.だから集客力のポテンシャルについては疑問の余地がありません.

 

 

しかし「フライトオブドリームズ=セントレア空港直結=飲食はセントレア空港でも可能」←この式が成り立つことを意味します.他と隔絶された施設であれば,ここで食べるしかないという結論に至りますが,利用者の選択肢が限定されていない以上,客はどこで消費するのかを考えます.大阪城のたこ焼き屋が話題になりましたが,立地優位性は最も重要な視点です.砂漠であれば100円の水が1000円でも飛ぶように売れる.そういうことです.

 

 

はっきり言って,特別珍しくもなければコスパが悪そうな飲食店しかない「フライト・オブ・ドリームズ」で消費をするでしょうか? セントレア空港改札前にはコンビニもプロントもあり,空港内には多くの飲食店があります.コスパに厳しい消費者は「フライト・オブ・ドリームズ」でわざわざ飲み食いするとは思えず(地方の消費力の低さは末期的に酷い),流行るのはスタバくらいでしょう.

 

 

これはメイカーズピアに出店したテナントにも言えることですが,テナント側の計算能力が著しく欠けている問題です.中部空港側は年間150万人の来場を目標値と掲げ,テナントを誘致する.テナントは検証能力を持たないので,そのバラ色の数字だけを信じて出店する.

結果,多くの客が目の前を行き交うけれども商品が全然売れず,月々の賃料と人件費を支払うと赤字になってしまう.

 

 

これは出店側が競争力のある商品を売れば良いという問題なので,施設の問題ではないように思えますが,テナントが赤字になると撤退→賃料が稼げない&賃料減.という負のサイクルになるため,経営の根幹を揺さぶりかねません.

 

B787コクピット

 

 

●「フライト・オブ・ドリームズ」有料エリアに関する考察と御提案

 

 

次に「②お金を払ってでも利用したいと思わせるコンテンツがあること」について.データ分析を精緻にしなければベストな選択はできませんが,それでも可能性を示すことはできます.問題を整理すると,B787の展示とプロジェクションマッピングは素晴らしい.これが無料であるのに対して,有料エリアのコンテンツが実にしょぼい(「B787 Simulator / B787シミュレーター」を除く).このように考えています.

 

 

とすると「魅力あるコンテンツの提供」or「現状コンテンツでの打開策」のいずれかが打ち手として考えられます.有料コンテンツの残念さについては,おいおい利用者の口コミが集まるでしょうし,このコンサルティングを是非とも弊社に依頼いただきたいところです….宣伝を兼ねて簡単に打てる一手を提案します.

 

  • 「Paper Plane Music Field / 奏でる!紙ヒコーキ場」→小型ドローンを操縦体験できるアトラクションに変更する.

 

紙飛行機を手作りして空間に飛ばすなどというコンテンツは消費者を甘く見過ぎでしょう.一提案として,小型ドローンの体験施設にすれば良いと考えます.一昔前のラジコン飛行機とは別次元の高性能なドローンが安価で購入できるにも関わらず,日本は馬鹿みたいな規制が多くてドローンを飛ばす場所がない.「フライトオブドリームズでドローン体験しませんか?」と銘打てば,B787&プロジェクションマッピングに並び,キラーコンテンツになるでしょう.

 

  • 「ZA001 Flight Deck / ZA001コックピット」→客席部分で映像上映

 

これほど見かけ倒しのコンテンツを見たことがないくらいに現状はチープです.コクピットを見学できるだけでも価値があると言えますが,B787の機体を全然活かせていない.かつ量を捌けない.コクピット入場数を少し緩和して,10人/3分としても,1時間で200人しか利用できないアトラクションは構造的欠陥だと考えます.入口と出口を分けていないのもオペレーションとして酷いと言わざるを得ません.B787機内の客席に利用者を誘導して,簡易なVRヘッドセットを利用して,映像上映してはどうでしょう? 現在のオペレーションでは客数を捌けないし,そもそもコンテンツの魅力が活かせていないと言わざるを得ません.

 

 

個別に指摘するとキリがありませんのでこれぐらいにして,チームラボに丸投げしたのが「フライト・オブ・ドリームズ」の根本的な問題であると考えます.何度も繰り返しますが,毎時15分&45分のプロジェクションマッピングは素晴らしい.さすがチームラボです.しかし,彼らの優位性はプロジェクションマッピングにはあるけれども,個々のアトラクションに発揮されるわけではない.予算の問題もあるのでしょうが,無料エリアと有料エリアの差別化が考えられていないのが,戦略的な失敗ではないでしょうか.

 

 

全体設計としては,無料エリアのB787&プロジェクションマッピングは現行通りとしつつ,先に述べた改善を実施すると同時に,有料エリアのコンセプトとコンテンツを抜本的に変えないと「無料で見学するだけ&B787シミュレーターは凄いけれど予約できない」施設になってしまうでしょう.eスポーツ&ゲームセンター化すれば良いのに(ボソッ).

 

 

●「フライト・オブ・ドリームズ」商業施設の入場に課金する収益の可能性(博物館/美術館モデル)

 

 

システム設計についても気になった点があります.有料エリアの決済についてです.下の写真を見てください.専用チケットの独自QRコードによる入場です.決済は事前のWEB購入もしくはこのエントランスで購入する.航空各社のチェックインや荷物検査のシステムの類似製品でしょう.この設計&導入の意思決定をした人の能力に大いに疑問です.何を考えているのでしょうか? 

 

フライトオブドリームズ入場ゲート

 

厳しいことを言えば,これを見て疑問に思わない人間で溢れているから日本はIT後進国であり,電子決済途上国であるのだとわかるケーススタディであると考えます.決済システムと入場システムを分けるのはあらゆる観点で不毛な選択です.交通系ICカード決済エントランス(つまりは簡易型鉄道改札)を導入すれば格安で利便性が高いのに,わざわざ独自システムを入れる残念さは筆舌しがたいレベルです.決済とエントランス機能がわかっていないから馬鹿なシステムを導入してしまう.

 

 

外国人旅行者向けには決済が重要ですので,WeChatペイ&アリペイに対応した交通系ICカードの購入のための自販機を置けば良いでしょう.そして,エントランスは交通系ICカード改札を利用する.そうすれば,わざわざチケットを購入する必要もなくなりますし,利用者の利便性も上がる.SUICAやマナカで決済できれば入場ハードルも下がる.チケット購入に手間と時間と躊躇を与えてはならない.マーケティングの基礎もわかっていない人間が設計したとしか思えません.

 

 

もう全体設計から個別設計まで改善すべき点がありすぎてキリがありません.B787の展示とプロジェクションマッピングは素晴らしいのに,それを目玉として集客して稼ぐという観点が欠落しているからこのような事態になるのでしょう.稼ぐ気があるのでしょうか?

 

 

最後に,この施設を博物館やテーマパークとして経営する選択もあったのでは? との仮説を提示したいと思います.有料エリアと無料エリアを分けるのではなく,施設自体を有料化して大人300円~500円程度に設定する(子どもは無料).そしてテナント部分はフードコート化する.現状の有料エリアのコンテンツは全部利用できるチケットと個別利用のチケットにする(もちろん決済は交通系ICカード&コンテンツは先に述べたように魅力あるものに変更する).

 

 

「フライト・オブ・ドリームズ」は根本商業施設としてテナント料を稼ぐという従来のビジネスモデルの発想から一歩抜け出して,テーマパークや博物館として入場料収入経営する方が良かったのでは? と提案をして終わります.