★「採用戦略」これからの採用の話をしよう!「採用計画」★

 

 

◆「新卒採用」優秀な学生を獲得するための戦略とノウハウ◆

 

学生の就職活動の情報や就活支援サービスは世の中に溢れているが,では実際に企業の採用基準はどのようになっているのか? また企業の採用計画はどのように策定されているのか? を紹介したり解説したりする情報は少ないように思う.学生は企業から合格通知か不採用通知のみ簡潔に連絡され,なぜ面接に通ったのか? どうして不採用であったのか? を説明されることはほとんどない.選考内容は企業秘密でありブラックボックスであるとされるからだ.がしかし,採用戦略をはじめ,企業の採用に関する取り組みの実態は驚くほどにお粗末である.少なくとも私が前職の大手通信企業でリクルーターおよび採用担当した際に感じたことは,なんと非効率で感覚的な採用選考が実施されているのだろう? ということだ.

 

果たしてこれは特殊な事例だろうか? 他社の採用担当や,人事担当から大学職員に転職した知人などから話を聞くと,驚くことにどの会社も大抵が同様に曖昧な採用計画と採用方針に基づいて新卒採用に望んでいる.企業は採用に莫大なコストをかけ多くの稼働を割き注力している.でもその実態は面接官を厳選せず,教育も未熟で,選考基準や採用評価が曖昧である企業が驚くほどに多い.つまり,企業の新卒採用はカネもリソースも時間も戦略的に使えていないということだ.

 

●採用戦略は「採用計画」「選考基準」「採用評価」「面接官」が重要

 

具体的な採用戦略については個別に言及するが,企業が採用計画を立てる際に検討すべきは,前例に乗っ取った目標などではないと断言しておく.「会社説明会参加者数」や「エントリー学生数」を目標として掲げることにどれほどの意味があろうか? もちろん募集の段階で苦労している知名度の低い企業や中小企業では,学生エントリーのすそ野を広げることが重要であることに間違いはない.だが,応募してきた学生を適切に選考し評価できていないから採用のミスマッチが起きているのである.だから,1万人のエントリーシートを集めながら,満足のいく学生を採用できず,内定者に半分以上逃げられるといった失敗を繰り返す.

 

それは何故か? 仕事は優秀かもしれない面接官が採用担当として不適切であるか未熟であり,選考基準が曖昧であったり指針がなく,採用担当者の評価がまったく適切になされていないからである.新卒採用の学生募集の段階からの戦略の見直しも必要である場合も少なくないが,多くの企業はリクナビやマイナビから集めた学生の選考を柔軟かつ効率的に実施できていないから,優秀な学生の取りこぼしや,求めるレベルやポテンシャルに満たない学生に内定を出してしまう結果となってしまう.

 

●新卒採用の成功の秘訣「就活ナビサイトの上手な活用」+「自社選考基準」

 

近年リクナビによる一括エントリーに懐疑的な意見や,就職活動時期の後ろ倒し(就活時期変更)に伴い,新卒採用への新たなアプローチを実施する企業も増加している.そう,変わるべきは学生ではなく採用する側の企業である.とはいえ,私は現状の新卒一括採用と画一的な就活スケジュールには肯定的である.大量エントリーは非効率などという批判的な意見もあるが,学生にとって有利な仕組みであり,我が国の若者の雇用の要をなすシステムであると考えるからである.

 

就活と採用のシステムを冷静に考えて欲しい.ほとんどの企業は基本的にリクナビやマイナビを中心とする新卒採用のポータルサイトを経由してエントリーを促す.もちろん自社サイトを活用して,個性的な選考フローを実施してる企業もあるが,学生の就職活動の入り口は大半が就活ポータルサイトとなっている.企業は人材獲得のためと相応の費用をリクルートに払っている.会社説明会や面接など,企業が独自で採用体制を整えるコストや稼働を投じるよりも効率的と言われる所以である.この企業の採用のための投資により,学生は費用を払うことなく(まさに1円も払うことなく)リクナビを利用し就職活動をはじめることができる.

 

●自社志望の学生を大切にすることで優秀な学生採用に繋げよう

 

採用企業がこのリクナビモデル(利用料の高さに不満はあろうが),リクナビ&マイナビの高収益モデルを批判することと,学生有利な就活システムを否定することは異なる論理である.学生の大量エントリーの選考が困難であるとか,コストと稼働が負担などという泣き言を言う前に,新卒採用の戦略を学生のアプローチや選考フロー,面接内容や面接官の選定から適切に見直すべきではなかろうか? というのも非効率で合理的ではない選考を実施して,自社を志望してエントリーした学生をみすみす逃しているケースが少なくないからだ.本サイトでは企業の人事担当の方々に現状の採用取り組みについての問題点を提起することで,課題を明確化していただくとともに,採用戦略の参考と改善となる情報を提供できればと思う.学生と企業の双方にとって幸せな就職と採用のマッチングの機会が増えることを願って.