★「採用直結インターン」を認めない文科省と経団連 不毛なルールを遵守する残念な日本の新卒採用★

インターンシップのあり方提案

◆企業と学生双方にとって時間とカネの無駄だから「ワンデーインターンシップ」は止めよ.「採用直結インターンシップ」兼「報酬型インターンシップ」を導入すべき◆

 

弊社は以前から申し上げている(★「就活スケジュール」無能な経団連が壊した日本の就活「インターンによる就活早期化」★)通り「ワンデーインターン」に否定的である.なぜならば、大抵のワンデーインターンシップが採用に直結せず対価も払われな企業PRのイベントになっているからだ.空いた口がふさがらないくらいの愚策である経団連と文科省の「採用直結インターン」の否定.そして中身がスカスカな「ワンデーインターン」の繁盛.いつの時代も使い捨てされる立場の弱い学生.非効率な仕組みが目の前にあり,需給ひっ迫という豊かな市場が目の前にあるので,これから弊社が飛び込んで改善したいと考えている.

 

ちなみに「採用直結インターン」と検索しても,経団連や文科省のサイトは上位の検索結果出てこない.検索エンジンは広告に占拠された酷い状況だ.お上の発表内容を右から左へ報道する新聞各社の記事と,有名なコラムニスト,ドメインパワーが大きいサイトの記事が上位に表示される.そして大抵は原典を示していない.メディアの報道の質を疑うし,検索結果の優先順位が間違っているのではないか?

 

あまりにも昨今の就活を巡る議論が馬鹿馬鹿しいので,少しだけ綴りたいと思う.立場的に異議を唱えることが叶わない学生の気持ちや意見をなるべく代弁する考察にしたいと思う.

 

 

●論旨(Abstract)●

 

  • 企業と学生双方にとって時間とカネの無駄だから「ワンデーインターンシップ」は止めよう.
  • 「採用直結インターンシップ」兼「報酬型インターンシップ」導入の御提案.

 

●(現状分析)新卒採用における規制や指針はどうなっているか?(Analysis of Status)●

 

まずは事実関係を整理するために,文科省と経団連が新卒採用・就職活動にどのような方針を示しているのか整理しておこう(途中で読む気が失せるくらい酷い内容であるが我慢してご覧になっていただきたい).

 

→「採用選考に関する指針」の手引き(経団連)

「採用選考活動開始時期」
・広報活動:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
・選考活動:卒業・修了年度の6月1日以降

 

「広報活動の開始日より前に実施するインターンシップについて」
・インターンシップは(中略)採用選考活動とは一切関係ないことを明確にして行う必要がある。
・インターンシップ本来の趣旨を踏まえ、教育的効果が乏しく、企業の広報活動や、その後の選考活動につながるような1日限りのプログラムは実施しない。

「企業等への要請事項」
・大学等は、インターンシップの本来の趣旨に鑑み、その教育効果を高めることに努める。また、「インターンシップ」と称した会社説明会や採用選 考活動と捉えられる行事等を行わないよう、企業等に要請する。
・広報活動開始前に「インターンシップ」と称した会社説明会や実質的な採用選考活動とも捉えられるような行事等は慎むこと。
・インターンシップは、「就業体験を伴うこと」が必要であるが、現在、インターンシップとして行われているプログラムには、1日限りで就業体験を伴わないもの(いわゆる「ワンデーインターンシップ」など)もあることから、これがインターンシップと称して行われることがないようにすること。

以上が出典と引用.ここから見解を含めた解説を述べる.「就職・採用活動開始時期の遵守」や「広報活動であることの明示」など,採用活動を一挙手一投足でコントロールしようとする意図の気持悪い項目が並んでいる(詳しくはリンク先をご覧になっていただければと思う).

 

要約すると,経団連の指針では,大学3年生の3月以前には「採用直結インターン」は実施するな!と述べている.そして「ワンデーインターン」も禁止しているように読み取れる.この「選考活動につながるような1日限りのプログラムは実施しない」との一言に行間を読む必要もないだろう.

 

しかし採用側の企業は,インターンシップ内で採用選考をしなければ,ワンデーインターンシップも実施しても良いと読み取れるらしい.なぜなら前年度の指針(→2018年入社対象の「採用選考に関する指針」)の手引きでは,

・当該プログラム(インターンシップ)は、5日間以上の期間をもって実施され、学生を企業の職場に受け入れるものとする。

と記載されていた文言が消えたからだ.日数制限の文言が指針文書から削除されたから一日インターンも解禁と受け取っているとのことらしい.まったくもって意味がわからない.勘違いしないでいただきたいのだが,この指針や要請を遵守せよと意見したいのではない.阿呆みたいなルールをありがたそうに奉り,その一言一句の矛盾や抜け穴を探そうとする姿勢が気持ち悪いのだ.結果,インターンは1日限りでも問題ないという結論に至り「ワンデーインターンの大繁盛」に繋がっている.

 

そもそも,経団連の指針では,選考に直結しないと明確にすれば大学3年生の3月以前にインターンシップを実施しても良い(そのように読み取れないか?)と言い,文科省は選考と誤解をされかねないから大学3年生の3月以前のインターンシップを控えろと言う.日本を代表する組織と所管官庁がダブルスタンダードを通そうとする気持ちの悪い現実.

 

 

●(提案)報酬型 兼 採用直結型 インターンシップを開催せよ.新卒採用とインターンシップの関係とあり方(Suggestion)●

 

経団連や文科省がプライベートカンパニーである企業の採用について「指針」や「要請」として規制に打って出ること自体が理解に苦しむが,この経団連の指針を「錦の御旗」として利用すること思いついた採用支援サービス(リクナビやマイナビを筆頭とする企業)が仕掛けたわけだ.

 

バブル経済期の水準を超えた有効求人倍率を背景に超人手不足が叫ばれ,新卒採用で内定辞退を多く発生させるどころか,エントリー数さえ目標数値を達成できない.結果,低い採用充足率に直面し,少しでも早く学生に就活への興味を向けさせたいと早期のインターンシップを開催する.

 

しかしながら,どうしたら優秀な人材を獲得できるかを考える知恵もなければ工夫もしない.これをビジネスチャンスと睨んだリクナビやマイナビを筆頭とする採用支援サービスが,インターンシップが金になると大々的にインターンシップをイベント化するべく画策する.

 

そもそも就活支援企業は楽して稼げれば良いわけで(当たり前の発想であり否定するつもりはない.美味しいビジネスだ),企業へインターンシップの開催を促し,開催案内(広告・宣伝)だけ契約して貰いたい.顧客企業の「早期に優秀な人材をリストアップしたい」「自社ブランドの価値を向上させたい」という利用の前提となる目標も,能力やリソースの足りない人事部は手っ取り早く簡単なワンデーインターンの開催を試みる.

 

充実した内容にしたいという思いはあれども,ヒト・モノ・カネへの投資は絞られている.そこへ,3流のコンサル会社やキラキラベンチャーが(自虐だw),頭の悪いカタカナをキャッチコピーに並べたワンデープログラムを提案する.真面目に精査するのも面倒なので,採用担当はそれを受け入れる.これで,スカスカな内容のワンデーインターンシッププログラムの出来上がりだ.

 

こんな空っぽなワンデーインターンシップを開催して意味があるのか?と一部の聡明な人間は疑問に感じる.けれども,他社がみんな開催している.右に倣えが正義だと教え込まれており,遅れをとることを嫌う(そもそも先んじてさえいないのだが).どちらにせよ,無能な幹部がヤレと決裁したのだから,サラリーマンは従う他はない.

 

だからインターンシップの現場では少しでも学生の評判を良くしようと小手先で綺麗に見せたり媚びたりする.どうしたらこのインターンシップで優秀な学生の獲得につなげることができるだろう?という疑問は戦略ではなく戦術の段階でしか入り込む余地がない.これが,生産性の観点が抜け落ち,手段の目的化が大好きな日本企業の典型的な採用現場の実態だ.

 

これが結構な大企業でも起きているから性質が悪い.総合商社をはじめとする最上位の人気企業では放っておいても優秀な人材が自ら志願してくれるし,選びたい放題だから学生に媚びたワンデーイベントを開催する必要もない(カネが余り過ぎて企画する企業もある).しかし残念ながらほとんどの企業は,内定辞退に頭を抱えている(★「内定辞退対策」空前の売り手市場で学生の内定辞退にどう対策すべきか?「新卒採用」★).

 

ワンデーインターンを開催したところで,それが魅力的なイベントでなければエントリーに繋がるはずもなく,内定充足率アップを図れるわけがないことは少し想像力を働かせればわかりそうなものだけれども(インターンシップが逆効果になり企業イメージを下げるケースが多々あり),労働と待遇のモチベーション&インセンティブがリンクしていないから,面倒なことはするだけ無駄と改善意欲も湧かない.

 

一方で優良な欧米企業は新卒一括採用の費用対効果に疑問を感じ,優秀な人材だけを狙い撃ちする.相応の待遇とキャリアビジョンを示すから,ハングリーな人材が殺到する.30歳超えての転職なら安定性の面から財閥系不動産や財閥系商社が理想だけれども(三菱地所にいきたいよ!),自分に自信があって能力を試してみたい20歳代前半のザ・トップ層は,マッキンゼーやボストンコンサルティングを志望する.

 

ちなみに,成長著しい中国資本の企業は,札束で叩く(超好待遇)という正攻法で人材を募集する.従業員と機密保持契約は結んでも,その価値と中身を双方が理解しないままに元従業員が技術とノウハウの垂れ流しする日本企業を鋭く突く(→初任給40万円 中国・華為になびく技術者たち)※お前が言うかと指摘されるのを承知で申し上げる,失礼な記事だ.

 

結果,優秀な人材へ手厚く報いて囲い込むという発想がない日本企業(従業員の優劣を明確には区別したくない,イレギュラーをとにかく嫌う)は優秀な人材を採れなくなりつつある.学生はメディアが垂れ流す「新卒採用は過去最高に迫る求人倍率で売り手市場という」言葉を真に受けて,憧れの企業をリストアップしてエントリー.

 

受験程度の競争にも勝てずに学歴もなく大学で大して学びもせず武器になるスキルもない(これも自虐だw)学生が,どうして競争倍率数百倍の企業から内定を得られると考えるのだろう?楽観的になれるのだろう?(←意識高い系学生へのメッセージ),失礼ながら老婆心で申し上げておく.(→ソニーの2018採用内定は全体で300人.内訳は技術系が230人,事務系が70人).※単純な足し算ができれば文系学生のソニーへの内定は旧帝国大学か早慶でも厳しい競争になりそうなのがわかる.

 

大半の学生は不安だからインターンシップに参加する.ちょっとでも採用の需給環境が有利なうちに,少しでも良い待遇や労働環境の企業から内定を得たいと考えている.いまの学生は驚くほどに貧しいし(日本の中流階級全員貧困化),40歳前後の就活氷河期は知らずとも,リーマンショック後の不況と内定率の悪化は中学生くらいの時のニュースで記憶に刻まれている.

 

我々ロストジェネレーション世代もそうだけれども,一度も豊かな社会を経験していない世代なのだ.そして本当に本当に貧しい学生が増えた(→首都圏の私立大学に入学した新入生への毎月の仕送り額は8万5700円で過去最低を更新(2016)).※仕送り額を調べたら赤旗記事が検索上位にきた.大丈夫かGoogle? 検索結果の信頼性が酷過ぎて求める正確な情報へのアクセスに骨が折れる.

 

昔とは違って,大学の講義(授業)は出席を厳しく問うから欠席するのは単位取得リスクを負う.それでもインターンシップは平日開催がほとんどだから,授業を休んで参加するしか選択肢はない.それが採用に直結しない選考する気がゼロ&報酬がないインターンシップ.企業が自社PRをしたいがための,下らないワークショップをやらせるだけのワンデーインターン.学生と採用企業の双方にとってなんのメリットもないイベントが毎日あちこちで開催されている.日本のホワイトカラーの生産性が先進国で最低なのも頷ける.

 

途中から愚痴のようになってしまったが,これは学生の偽らざる気持ちであり,新卒採用に苦労している中堅・中小企業が採用支援企業に搾取されている状況報告だ.こんな非生産的でアンフェアな雇用マッチングの解消と改善を目指して,弊社では「採用直結インターンシップ」兼「報酬型インターンシップ」の企画と導入支援を実施予定であるため,仕事の依頼や投資をお待ちしている.

 

 

●(追記)内定式を当日にドタキャンする学生が増えているってさ(Postscript)●

 

→「2桁もらった友達もいる」「僕らにも選択肢がある」…無断で内定式欠席も!

 

嫌な気分になるコンテンツが流れてきた.新卒採用は人生における企業選択の最大のチャンスであるから,幅広い企業にエントリーすれば良いし,内定をたくさん貰って悩めば良い.ただし,どれだけたくさんの内定をゲットしようが,入社できる企業は1社だけであり,その会社で上手くいくか,長く働き続けられるかどうかは運や環境次第であることは知っておいた方が良いだろう.内定の数が自分の能力や価値だと勘違いする学生が実に多い.

 

株や土地と違って換金価値がなく,流動性がない資産である「内定」を集めても,自慢するくらいしか役に立たないし,複数内定の中から選んだ企業が失敗であったと就職後に認識すると,ダメージが一層大きくなることなんてイメージすることもできないのだ(誰にも正解なんてわからない).まぁしょうがないね,鼻っ柱の強い学生だもの.その自慢も聞かされた方はウザいと思ってるからね!

・連絡をしないまま内定式を欠席することで辞退する学生もいる

・内定を決め兼ねた学生が内定式を"はしご"しているケースもある

企業が選考の判断基準が曖昧なまま,面接で定性的なことを聞き,こういう最低限のマナーや相手への迷惑を考えられない学生に内定を出すのだから自業自得ではある.これまで企業が不況の際にやってきた内定取消に比べれば,それほど非難するべきことではないかもしれないけれども,せっかく得た評価や繋がりを台無しにする本当に愚かな行為だ.学生には内定はホールドしても手放す時は誠意と丁寧さを忘れないで貰いたい.検討を祈る.

 

 

●(参考)読むに値する数少ない優良なコンテンツ(reference document)●