★“名駅再開発”これからの名古屋の話をしよう!“リニア名古屋駅”★

(2017/10/31追記) 

◆「名古屋駅再開発」により発展を遂げる名古屋駅 | 名古屋駅に「大名古屋ビルヂング」「JPタワー名古屋(KITTE名古屋)」「JRゲートタワー」「名鉄近鉄複合ビル」の超高層ビルが続々オープン | 名古屋駅再開発とリニア名古屋駅の開通で目指せ副都心!「名駅再開発」◆

 

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我らが愛知県の中心,名古屋がいま熱いです.名駅を降りて周囲を見回せば,建設途中のビルが乱立しており「JRセントラルタワーズ」と「ミッドランドスクエア」程度しか高層ビルのなかった名駅が目まぐるしく動いています.この名駅再開発に名鉄も名乗りを上げ,名鉄百貨店をリニューアルして日本最大級の高層ビルを建設すると発表.「リニア名古屋駅」に向けての工事も進んでおり,東京を除けば,名駅は現在日本で最大級の再開発事業が進んでいると言っても過言ではないでしょう.東京や大阪からは田舎と馬鹿にされ,地方都市の駅のようだと耳にすることも少なくなかった名駅のこれからを,わかりやすく紹介し考察したいと思います.

 

 

0.更新情報(NEW!)

 

「ささしまライブ(グローバルゲート)はスタートダッシュを図れるか? アクセス不利から苦戦を予想」

 

2017年10月に「ささしまライブ24」がオープンしました.「→名古屋「迷駅」が生んだ?4分だけのバス路線」こんな記事もございます.ささしまライブへのアクセスに電車は不便でバスがミッドランド前から運行しています.名駅からは歩いて行く若者が多いようです.と報告していますが.残念ながらピントがずれています.ささしまライブが混雑している様子はまるでありませんし,おそらく今後も望めないでしょう.

 

まず間違い訂正から.名駅から笹島方面に歩いている若者は愛知大学を中心とする学生です.通学のために名駅から歩いているのであって,決して「グローバルゲート」に行くために歩いているわけではありません.もう少し精緻な取材が期待されます.ガセネタはこうやって量産されるのでしょうね.

 

次にささしまライブ24が厳しいと予想する理由.名駅直結のKITTE名古屋や大名古屋ビツヂングでさえ集客に大苦戦しているのに,どうしてアクセスの悪いグローバルゲートに客を呼び込めるのか?という話です.栄では丸栄が閉館を決定しました.丸栄は運営に問題を抱え,テナントも魅力に欠ける状況だったので予期されたことですが,立地は最強でした.

 

栄駅直結でアクセス最高の丸栄と違って,ささしまライブ24は名駅から新たに動線をつくって,集客せねばならない.これがどれくらい難しいことであるかは,少しマーケティングや不動産を学んだ人間ならすぐにわかりますし,大阪伊勢丹が撤退した事例や,名駅の西口の開発が苦戦していることから学んでいるのでしょうか.

 

問題点だけを指摘して改善を提案しないのは批評家のすることですから,コンサルとしてひとつだけ提案を.名駅⇔ささしまライブ間のバスを無料にする.現状こんな当たり前で創造性のない改善提案くらいしかできることがありません.それくらい新たな動線をつくることは難しく,今のささしまライブの状況では,広告とマーケティングだけでは繁盛しそうにありません.残念ながら立地にディスアドバンテージがあり,テナントの魅力に欠けます.

 

唯一「名古屋プリンスホテルスカイタワー」が集客の要にはなりそうなので,コラボレーションするのがよ良いでしょう.もしテナント構成からコンサルティングをさせていただけるのであれば,自動車のショールームを試してみたいです.メルセデス,BMW,アウディ,ポルシェ等々,高級外国車のショールーム兼販売場.高級車に興味のある潜在顧客から,一生高級車に縁のないだろう方々や若者まで,集客のキラーコンテンツになるでしょう.

 

残念ながら現状では,厳しい運営を余儀なくされると考えられますので,改善戦略を立てられる際は,弊社まで問い合わせいただければ幸いです.

 

 

1.すべては「JRセントラルタワーズ」「JR名古屋高島屋」開業から始まった

 

名駅再開発

 

時は2000年.名駅に大規模な再開発の狼煙が上がりました.そう「JRセントラルタワーズ」の竣工です.当時高校生だったわたくしは,名駅に突如誕生した名古屋ではじめての超高層ビルに目を奪われ,なんと巨大でカッコ良いのだろうとほれぼれして眺めたものです.ちなみに東京や大阪から名古屋に来た方が感じるのは,名古屋の高層ビルの少なさと低さであり,ここら辺も名古屋が田舎と言われる理由なのでしょう.

 

この「JRセントラルタワーズ」にはJR東海と高島屋が共同出資による「JR名古屋高島屋」が出店し,百貨店不況が叫ばれる中でも売り上げを伸ばしています.電車の乗降だけの面白みのない駅であった名駅の姿をガラリと変えさせた最強の先兵となったわけです.こちらは「駅ビル」と「JR京都伊勢丹」の開業により大きく姿を変えた「京都駅」と似たような構図であると考えていただければ,関西の方はイメージしやすいかもしれません.

 

 

2.「ミッドランドスクエア」が名駅と人の流れを変えた「ルーセントタワー」は苦戦

 

2006年10月,この「名駅ツインタワーズ」の目の前に,超高層ビルが完成しました.そう世界のトヨタが誇るミッドランドスクエアです(正式名称:豊田・毎日ビルディング).総事業費1000億円の大事業.このビルが建設されたことにより,名駅は名古屋のビジネス中心への歩みを確固たるものにしました.トヨタ自動車だけではなく,JXや全日空,毎日新聞などが名古屋社屋を本ビルに展開し,愛知県で勤めたい者にとって「ミッドランドスクエアかJRセントラルタワーズのどちらかで働きたい!」と憧れの存在として君臨しているといっても過言ではないでしょう.

 

また,ミッドランドスクエアが名駅に与えたインパクトとして大きいのが,路面店舗の集客です.百貨店以外は栄に行くしか買い物する場所がなかった名駅に「ロエベ」「ディオール」「カルティエ」等の世界の高級ブランドショップが展開されたことにより,人の流れと雰囲気が一新しました.特に「ルイ・ヴィトン ナゴヤ ミッドランド スクエア店」の繁盛ぶりには中流階級やや下の私にとっては,眩しくて直視出来ないくらいの驚きがありました.その後2007年1月,名駅の少し北に「名古屋ルーセントタワー」が開業し,名駅再開発は第1期の完成とひとときの休息期間を迎えます.

 

ただ,このルーセントタワーは名古屋駅から徒歩で10分程度かかるのと,地下で繋がっていないこともあり,飲食店の入れ替えが激しく集客に苦戦しているように感じています.まるで,大阪伊勢丹の苦難を彷彿とさせます(→大阪伊勢丹は予測した通り撤退).伊勢丹は大阪駅に出店する前に,人の流れ(動線」の影響力をルーセントタワーをケーススタディとしてリサーチすべきでしたね….名駅新3ビルが竣工した後の経営も心配です.

 

 

3.名駅に超高層ビルが続々竣工! 名古屋は大阪に追いつけるか?

 

名古屋駅高層ビル位置関係

 

愛知で生まれ育った私の一番の衝撃は,修学旅行時に上京して首都東京を目にしたことではなく,大学生時代に大阪に遊びに行った経験です.首都は東京だから一番なのは当然として,名古屋は大阪に負けてないよね? 互角だよね? と思っていたのです.それが西梅田の高層ビル群を見上げ,心斎橋から難波への御堂筋を歩き,名古屋が大阪に遠く及ばないことをはじめて知りました.

 

ちなみに現時点(2015年)では大阪駅は東京駅や新宿商業の街と製造業の街の違いがありますので,ビルの大きさや数で比較すること自体が田舎者の目線かもしれませんし,愛知の方が景況感では負けていないのですが,都市競争では名古屋は田舎なのだと敗北感いっぱいで,悔しい限りです.しかし,名駅再開発による新高層ビルの竣工を間近に控え,これから名古屋は大阪と副首都を争えるポテンシャルを持つ都市に進化を遂げようとしていると宣言しましょう.

 

 

4.大名古屋ビルヂング(2016年3月開業)

 

大名古屋ビルヂング

 

時は流れ,三菱地所が大名古屋ビルヂングの再開発を発表しました.ホテルロイヤルパークイン名古屋の土地も吸収し,180m規模の高層ビルが名称をそのままに大名古屋ビルヂングとして2016年3月に竣工予定です.あの古くてしょぼくて(失礼),名前負けしていた大名古屋ビルヂングが装いを新たに開業するとは,感慨深いものがあります.立地は超無敵の名駅交差点の一角に位置しており,名駅新3ビルの先頭を切ってオープンするため,オフィス需要を確実に取り込んでおり,さすが天下の三菱地所と感服です.

 

当初は名駅に伊勢丹が出店か? と囁かれていましたが,大阪店で莫大な赤字を計上した頃に計画が動いていたため,伊勢丹セレクトショップの「イセタンハウス」という小規模店舗に留まってしまう模様.ネーミングセンスにはあえて突っ込まないでおきましょう.にしても,名駅に足りないのはデパ地下(充実した食料品店)ですよね….伊勢丹ハウスって….ちなみに私が開発責任者なら↓これくらい面白い取り組みをするのですが,オフィステナント中心の硬派なビルとして運営されております.

※追記 ★大名古屋ビルヂング開業 屋上にビアガーデンはいかがでしょう?★

 

※参考:→三菱地所が先陣,高層ビルが変える名古屋

 

 

5.JPタワー名古屋(KITTE名古屋)(2016年6月開業)

 

JPタワー名古屋(KITTE名古屋)

 

続いて,2016年には「JPタワー名古屋(KITTE名古屋)」が開業予定です(ダブル名称がややこしい).JPタワー名古屋よりも断然KITTE名古屋というネーミングの方が日本郵政のブランド価値を活かせますよね?(その点,大名古屋ビルヂングの名称を引き継いだ三菱地所の不動産価値とネーミングのブランド価値の最大化は流石です).恐らく商業施設名称はKITTE名古屋ですから,こちらが通称となるのかもしれませんね.

 

話が逸れましたが,本ビルも3階までは小売りテナントが入る予定です.入居テナントの発表が待たれますが,注目すべきは「ホール&カンファレンス」を強くPRしていることでしょう.名古屋のMICE(ミーティング,インセンティブ,カンファレンス,エキシビション)の需要を狙っているものと思われますが,200平米という広さは,中途半端では?(弱気すぎて突っ込み辛い.有楽町の東京国際フォーラムを目指すくらいの気概はないのか?と…関係のない第三者は勝手なことばかりで恐縮です).

 

ちなみに,2階のオフィスエントランスからJR名古屋駅までは貫通通路で直結予定とのことですが,間にJRゲートタワーを挟むので,新3ビルの中ではかなり厳しい運営を強いられるのでは? と思われます.

 

※2017年4月に定点観測でKITTE名古屋のテナントをリサーチしてきましたが,飲食店フロアは閑散としており,入居率も8割弱の状況です.開業1年も経たずにショップ&レストランフロアの苦境が露呈した格好です.ただし,アクセスが抜群で設備も最新であるため,事務所入居者的には魅力的なテナントでしょう.最小40坪から借りられることを考えれば,賃料が非公開であるものの,坪単価15,000円,60万円/月で30名程度まで入居も可能なので,意欲ある企業はフリーレントなど,強気の交渉で臨む価値はあるかもしれません.

 

 

6.JRゲートタワー(2017年4月開業)

 

JRゲートタワー

 

そして2017年4月にJRゲートタワーが開業予定です.ビルの規模としては,地上46階,地下6階,高さ約220mと,新たに竣工する3ビルの中では最大の高さを誇ります.どうせならミッドランドスクエアを超えて,名古屋で一番高いビルを建設すれば良いのにと思いますが,トヨタとの大人の事情があるのでしょう(当初は260mの計画でしたから,余計に気になってしまいますw).

 

さて,高層ビルマニアとしては,JRゲートタワーが中部地方で最も高いビルとならなくなったことは非常に残念ですが,本ビルは名称の通りJR東海が事業主のため,名駅へのアクセスを重視して設計されています.地上15階までの低層階はJRセントラルタワーズと接続される形となり,地下はリニア中央新幹線の駅となるのでは? との噂も囁かれています.バスターミナルも1Fに集約されることから,鉄道とバス&車のハブとなることでしょう.

 

入店が決まったテナントとしては,「JRゲートタワーホテル」や,ビックカメラ,ユニクロ,ジーユー,フィットネスがOPENし.セントラルタワーズと直結である利便性の高さも相まって,順調なスタートを切ることが予想されます.

 

 

7.シンフォニー豊田ビル(2016年7月開業)| 三井ガーデンホテルは一押し

 

シンフォニー豊田ビル

 

2016年9月にシンフォニー豊田ビルのテナントがオープンしまして,行ってまいりましたので,追記します.場所(位置)はウィンク愛知の南側.ミッドランドからの地下通路でクロスコートを経由して連結されており,名古屋駅から雨に濡れずにアクセス出来るのは強みでしょう.私は土地と店舗の価値はアクセスの変数が圧倒的に最大だと考えていますので,重要なポイントです.

 

施工業者は東和不動産株式会社.「オフィス・シネマ・ホテル・店舗」の4要素がシンフォニーのように響き合う一体感をイメージして命名されたとのことで,個人的にはホテルが入居したことに注目しています(映画館にそんな需要あるのかな?(^_^;).

 

ホテルを熱く語る前に飲食店に目を向けてみましょう.シンフォニー豊田ビルの1FおよびB1Fにはカフェ&レストランが計6店舗出店しています.私は牡蠣が大好なのでオイスタースタンドの「メリケンサカナ」に訪問してきました.事前調査では,本日の生牡蠣(1個):150円~(ホットペッパーに掲載)とのことでしたので,ドキドキしながら向かいましたが,私が訪問した日は,生牡蠣の最安価格は600円弱と大変残念な気持ちになりました.

 

「ニクバルダカラ」は最近出店を増やしていますね.単品飲み放題をやっていただけると魅力的ですが,それがないと選択肢にはなかなか入りません.「博多もつ鍋 やまや」はランチの明太子食べ放題が最高です!名駅エリアのランチ難民をきっと救ってくれることでしょう.

 

そして,東海地方初の三井ガーデンホテルとして「三井ガーデンホテル名古屋プレミア」が進出.三井ガーデン大好きです.外国人観光客の需要増によるホテル価格のバブルが発生する前は定宿でした.もう高くて泊まれませんけれども.それでも,開業してまだ間もないこともあり,9月末時点では随分安い宿泊価格を設定しています.一泊二名11,500円 (消費税・サービス料込み)で泊まれて,大浴場もあり,名古屋出張と名古屋観光の宿泊はここで決まりでしょう.

 

名古屋で宿泊することもないのですが,私が注目しているのは18Fのレストランです.「The Living Room with SKY BAR」は夜景が綺麗なレストランのようで,コースメニューも3,800円からと設定されており,実に魅力的です(ご興味ある方お気軽に連絡ください(笑)).ホテルBARの少ない名古屋においては,貴重な存在となることでしょう.

 

いずれにせよ,名駅からのアクセス,アフター5の周囲の魅力を考えた時の立地の優位性と,オフィスビル及びテナントビルとしては最強のビルディングの開業です.JPタワー名古屋は大丈夫かな? と他人事ながら心配しておりますが,名駅東エリアの益々の発展を期待したいと思います.

 

 

8.名鉄百貨店再開発事業(2027年度までに開業予定)

 

 

そして,2015年末の日経新聞の報道にて,名古屋鉄道,近畿日本鉄道,三井不動産の3社は,名鉄百貨店本館を再開発し,地上50~60階建ての大型複合ビルを建設するとの発表がなされました.総事業費は約2000億円を予定しており,再開発の対象は,名鉄百貨店本館~名鉄レジャックにかけての南北約500m,6棟のビルをスクラップ&ビルドされることになります(約28,000m2).実に壮大な構想です(つっこみどころ満載なので後ほど考察します).

 

※追記 2017年3月末に名古屋鉄道株式会社よりついに全体計画のビジョンが公表されました.上記画像は「名鉄 名古屋駅地区再開発 全体計画」より引用させていただきました.横長のビルを建設するという視点は非常に興味深く,無駄にビルの地上高を追求するよりも確かに収益機会は拡大しそうです.利回りも狙えるでしょう.ただし名鉄自身が,商業,オフィス,ホテル,レジデンスを中心とした用途を適正規模で効率的に配置しますと発表しており,まだ計画段階で決まっていることは何もない状態であり,資金調達や事業収益を含め円滑に進むことを期待したいところです.

 

 

9.グローバルゲート(ささしまライブ24土地区画整理事業)(2017年秋開業予定)

 

ささしまライブ24

 

少し名駅からは離れますが,豊田通商株式会社,大和ハウス工業株式会社,日本土地建物株式会社,オリックス株式会社,名鉄不動産株式会社のJVで開発を進めているささしまライブ24にて,地上36階,約170mの高層ビルが竣工予定であり,現在建設が進められています.上層階にプリンスホテルの入居が決まっているとのこと.個人的にはプリンスホテルは大好きなので楽しみです.ちなみにここは名駅から10分少々という立地です.

 

 

10.名駅再開発の展望 これからの名古屋駅を予測

 

ここまでは学生でも少しリサーチすれば書ける内容の記事ですので,ここから名古屋駅再開発の行く末を占い考察していきたいと思います.さくさくまとめて考察するつもりでしたが,思いのほか時間がかかりました…..

 

少子高齢化を迎える日本で,東京でも都心部の再開発計画が急ピッチに進行し,「2020年問題」とオフィスビルの供給過剰が予測されています.そんな東京を先取りして,名古屋ではオフィス需給の,のっぴきならない事態に直面すると危惧しております.懸念点をここに記し,開発業者の皆さまの課題リストとしていただければと思います.

 

そもそも,人口(労働市場)が縮小することが確実であると予測されている中で,需給をどう改善していくかは国策として真剣に議論していくべき命題ですが,政治的話題は揉めますので(苦笑),冷静に経済的に考察していきます.人もオフィス需要も縮小するとしたら,誰がテナントを満たすんでしょう….

 

名駅に新たに供給される3棟のオフィス面積は20万平方メートルであると報道されています.これは名駅地区で4割増とのことです.ここで質問.超高層ビルが3棟も建設されるのだから,なるほどねと納得しますか? それとも,3棟ビルが供給されるだけで,オフィス面積は1.4倍になるの? とどちらの感想をお持ちでしょうか? 私は後者です.この溢れる供給に対する需要はあるのでしょうか?

 

逆算すれば50万平米~60万平米しか名駅のオフィス供給はなかったことになります.少しでも不動産をかじったことのある方ならご存知かもしれませんが,東京で毎年新規に供給されるオフィスの面積が100万平米ですので,それに比べれば大した面積でもありません.それでも,その小さな需給で名駅経済が回転していたのも事実であり,このエリアに従来比で圧倒的なオフィス開発の提供が生まれる.さぁ,誰がこの供給を食うのでしょう?

 

 

11.名駅エリアはリニア開業に向け発展するも,栄エリアは凋落の危機

 

名駅再開発により名古屋駅の利用者は増え,ますます活性化する! えぇ,これは多分そうでしょう.大名古屋ビルヂング,JPタワー名古屋,JRゲートタワーが開業することにより,2015年比で10%~15%くらいは名駅の乗降者数は増加すると思います.しかしながら,そもそも名駅は東海地区の住民の唯一のハブであり,誰しもが名駅を利用する.言うなればライバル不在なわけです.

 

東京であれば,C向け需要を銀座,新宿,池袋,渋谷を中心とするメガステーションが激しく顧客獲得競争を繰り広げており,オフィス間競争にいたっては,丸の内を頂点に主要駅毎の競争がある.でも,名古屋はお買い物は栄へ,オフィスは名駅へという二択しかありませんでした.そこへ高島屋が名駅に出店し大成功しているわけですが,そもそもターミナル駅に百貨店が一つしかないのが異常であり,名古屋の特殊性を表していると言っても過言ではないでしょう.

 

東京駅は百貨店は大丸だけですが,駅ナカや駅近辺の店舗は数え切れないくらいですし,大阪駅は阪急百貨店,大丸百貨店,阪神百貨店に伊勢丹が強気で出店し,大赤字の上に店舗縮小しました.グランフロントもオープンし,日本一の過当競争エリアだと思っています.に比べれば,名古屋タカシマヤしかない名駅は過疎地であると言っても過言ではなく,競争が少なく成功確度が高い対象ではありますが,それでも一昔前の中国の労働市場のような需要多寡というわけではなく,皆がなんとかお腹を満たせているというに過ぎません.大阪が過当競争なだけなのです.名駅の高島屋に行く度に混雑にうんざりしますが,この程度かとも思います.

 

とすると,何が起きるのか? 外国人旅行客のインバウンド需要は見込めます.外資企業も名古屋を選んでくれるかもしれません,リニアを見込んでね.でも,外部事情は流動的です.大半は名駅が少しだけ活性化することによる,市内&県内の企業の進出(引っ越し)です.名駅でオフィスが大量に供給されて,値上がりしないとするならば(私は地価(オフィス単価)はこれ以上あがらないと読んでいます),名駅に進出&引っ越しする企業が増えることでしょう.

 

どこから? 東京に本社を持つ企業が名古屋に移しますか? そうなれば良いなと思いますし,知事や県職員にはそういう仕事を期待したいですが,大半は県内or東海地区の需給の食い合いです.はっきり言うならば,栄は草刈り場になると予想します.これまでは名駅はターミナル駅であり,働く場であっかもしれないけれども,高島屋とミッドランドスクエア以外に目的地はあるの? と栄は上から目線で見ていたかもしれません.

 

でもね,立地は最強の強みであり正義であるのです.栄が選ばれていたのは,名駅が冴えなかったから.JR名古屋高島屋の圧倒的勝利は企業努力や店舗の競争力ではなく,名駅直結という最強の立地だから.栄の松坂屋が高島屋に負けてるわけではありません.沈んだのは丸栄(危機的)と三越であったことからも明らかでしょう.余談ですがヨドバシカメラが当初予定の「JRゲートタワー」への出店を取りやめ「マルチメディア名古屋松坂屋店」として展開したのは個人的には驚きです.あなたはヨドバシ梅田で大成功し,伊勢丹大阪の大失敗を目の前で見ていたはずなのに,どうしてそのような選択をしたのかと.少しマーケティングをすればエディオンの名古屋本店の悲壮感を目にするはずであり,何故に背水の陣を取るのかと疑問でいっぱいです.加えて「JRゲートタワー」にビックカメラが出店するという話を聞いて,もう大人の世界怖すぎるとガクブルしております.

 

 

12.名鉄百貨店の再開発事業(予測)縮小される OR 事業凍結

 

より良い開発がなされることを期待して,名鉄の名駅再開発についても考察しておきましょう(やんわりと失礼します).まだ日経新聞がすっぱ抜いただけですので真偽は定かでないですし,あくまで計画ですので,不正確な情報を元に言及することをご容赦ください.名鉄の再開発の規模は約28,000平米,事業費は2,000億円規模とのこと.もちろんコンソーシアムを組んでJVでの開発を計画しておりますが,事業主体は名鉄で間違いないでしょう.

 

事業費は2,000億円を予定しているとのこと.2,000億円,どのようなイメージをお持ちですか? 新国立競技場の整備費が約2,520億円と示されておりますので,大したことがないようにも思います.例えばヘッジファンドであるシタデル創業者のケネス・グリフィン氏の2014年の年収が13億ドル(※120円/ドル換算で1,560億円w)ですので,名古屋鉄道ほどの企業ならば痛くも痒くもないでしょうか? 

※出典:The Highest-Earning Hedge Fund(http://www.forbes.com/hedge-fund-managers/)

 

名鉄は優良企業ですし,東海地区屈指の重鎮ですが,この2,000億円は日本の民間企業が手がける再開発事業としては最大規模です.わかりやすくするために事例をあげましょう.

 

<総事業費(wikipedia他より)>

・丸の内ビルディング(通称 丸ビル):約650億円

・東京スカイツリー:約650億円

・新丸の内ビルディング(通称 新丸ビル):約900億円

・あべのハルカス:約1,300億円

・六本木ヒルズ:約2,700億円

 

土地取得費用や建設費の高騰など正確なデューデリジェンスを実施していないので,一般的な情報としてご覧下さい.ここから名鉄百貨店の再開発事業計画を考察すると「名古屋で2,000億円規模の再開発はありえない」ということです.名鉄はJR東海タカシマヤの成功を見てすぐに再開発すべきであった.にも関わらず冴えない百貨店を放置し,リニア開通に向けて再開発するのは手遅れと言えるでしょう.名駅新3ビルがなければ勝算もあったかもしれませんが,この再開発はパナソニックの尼崎工場やシャープの堺工場への投資を彷彿とさせます(投資に対する回収が冷静に見えていない.費用対効果失格).両者のその後の悲惨な末路は言及するまでもないでしょう.

 

そもそも,あべのハルカスで青色吐息の近鉄に体力(投資意欲)があるわけもなく,三井不動産は馬鹿ではないので自己負担を出来るだけ避けるはずですし(煽るのは得意だと思うw),名鉄が社運と企業存続をかけてやる以外に実施の可能性は低いわけです.アセット・ファイナンス等の不動産債権を打てば可能性はありますが(個人的には大歓迎.日本は金融にしろ不動産にしろファイナンス施策をもっとすべきだと思う.日銀もヘリコプター・ベン(バーナンキ)とChinaの中央銀行に倣うべき.つまり量的金融緩和を際限なく続けるべき).

 

ファイナンスネタは半分冗談ですが,名鉄の再開発事業は遅きに失した面が否めなく,予定の半分~4分の1規模に縮小して,百貨店(デパ地下)+ホテル+駐車場事業くらいに収まるのではないかと見込んでいます.いずれにせよ大注目の名古屋駅再開発事業,これからもウォッチし続け,新しい情報が入り次第発信していきたいと思います.